調理時に黒ビールを使用していないにもかかわらず、「黒ビールカリー」などと表示し、外食店舗で料理を提供したとして、消費者庁は13日、外食チェーンを運営するキリンシティ(株)(東京都中野区、江田雄太代表)に対し、景品表示法に基づく措置命令を出した。
同社は、もっとも長い場合で2015年1月13日~17年9月25日までの期間、25品の料理について、メニューブックや自社のウェブサイトなどで、「新一番搾りスタウト(黒生)を使用し、さらにコク深く、スパイシーな味わいに生まれ変わった黒ビールカリー」などと表示していた。しかし、実際にはこれらの料理に黒ビールを使用していなかった。
取材で同社は、「当初は店舗内で手作りを行っていたが、味の均一化などのために外部委託に切り替えた」(戦略企画室)と説明。「開発段階で双方の認識がずれていたことが今回の原因。(措置命令については)厳粛に受け止める」(同)とコメントした。
消費者庁の担当課では、「意図したものではないが、問題は大きい」(表示対策課)と話している。
【木村 祐作】