東京都は28日、「高齢者の消費者被害に関する調査」の結果を発表した。「点検商法」や「次々販売」などの悪質商法について、60歳を過ぎてから被害に遭遇したと回答した人が約3割に上ることがわかった。
調査は昨年10月16日~11月24日の期間、都内の各区市町村老人クラブ連合会に所属する70歳以上の会員5,300人を対象に実施(n=2,924人)。悪質商法の被害経験について、5つの商法を挙げて聞いたところ、60歳を過ぎてからいずれかの商法で「被害にあった(契約した・お金を支払った)ことがある」と回答した人が全体の5.1%、「被害はないが、請求または勧誘されたことがある」が29.7%を占めた。
被害人数が最も多かったのが、「押し買い(悪質な訪問買取り)」で64人。次いで「点検商法」48人、「利殖商法」36人、「架空請求」20人、「次々販売」19人だった。
「点検商法」とは、「点検に来た」「無料で点検する」と言って家に上がり、不安を煽って、商品やサービスを契約させる商法で、浄水器などの販売にみられる。また、「次々販売」とは、消費者が一度契約すると、必要のない商品やサービスを次々と販売して過剰な量の契約をさせる商法。健康食品やエステなどでみられる。