健康情報ニュース.com > 大手食品営業マンの告白 > 新・大手食品営業マンの告白~大阪恋物語“番外編”(2)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加

新・大手食品営業マンの告白~大阪恋物語“番外編”(2)

山笠太郎

 

<大野課長の肝入りで大阪へ>

 気が付けば3年という月日が経とうとしていた。大阪へ赴任していた大野課長待遇が3年で異例の本社ライン課長へ昇格して、東京に戻って来ることとなった。またしても大阪支社コンシューマー部門で、大野さんの後任は誰に…という話になった。

 すると、なぜか大野さんは「山笠も本社で僕の後任担当として頑張ってくれている。しかも今回の昇級試験で課長待遇にも昇格したことですし、大阪での僕の後任にうってつけだと思いますよ」と、当時営業部門の人事権を握っていたお調子者がスーツを着て歩いている様な益子常務に、あろうことか大阪環状線ガード下の赤提灯で、真っ赤な顔で進言してしまったのだ。

 「おい、大野、山笠ってあのぽっちゃりした奴だろ?俺よく知らねぇけど大丈夫かぁ?」。「そりやぁもう益子常務、モノを売らせたら今のうちであいつの右にでる者いませんから!それにですよ、あの健康食品業界を手玉に取って来た男ですから、彼にとって食品業界なんてお茶の子サイサイですよ。その証拠に、僕の後任で3年間、同業他社を余裕で手玉に取ってきましたから」と赤ら顔にしゃっくり。またしても「人事は夜決まる」であった(汗)。

 当時、お気楽な小生も3年間の激烈なシェア争いのなか、さすがに「疲れた戦士」であった。普通ならヘトヘトになり、やせ細るはずなのだが、なぜか小生の場合、食欲絶好調!!さんざん飲み食いした後、深夜のコンビニで夜食用のおにぎりとサンドイッチを買って帰るのが日課だったのである。

 気が付けばブクブクと3年間で体重がなんと20キロも増量し、健康診断では「いつ倒れてもおかしくないですよ。これで血糖値が正常範囲なのは奇跡に等しい」などなど、散々な言われ方をされた直後の大阪支社赴任辞令だった。

 余談ではあるが、口の悪い同僚からは「おい山笠、ここまでデブになってど~やって健康食品売るのよぉ?ムリでしょギャハハ」と、全くもってこうやって「風評被害」って作られていくっちゃろねぇ!

 

<大阪の牢名主「ジンさん」>

 おっと、話しを戻そう…当時、巨体になっても(汗)、まだまだ独身遊び盛りであった小生は愛車プレリュードでさっそうと東名高速道をかっ飛ばし、新赴任地大阪へと赴いた。車中でのBGMはもちろん「やしきたかじん」である。「大阪に行くからには、やっぱり“たかじん”ばい」という勝手な思い込みからだった。

 大阪に赴任が決まってから、大阪支社では前任の大野さんがなにかと小生を気にかけてくれた。「オレの後任には関西人真っ青の凄いのが来るよ。しかも独身貴族だよ」と、事前に吹きまくっていた。そんなわけで「山笠はんには大阪を十分に楽しんでもらわんとあきまへん」と、大阪での3年間、公私にわたり世話を焼いてくれることとなったのは、当時の金山社長から「大阪の牢名主」と親愛を込めて呼ばれていたコテコテのおっさん「ジンさん」こと神山さんだった。既に50代半ば、身長163センチ、体重73キロ。筋肉質な体質で、お腹ぽっこりがチャーミングに見える。典型的な小太り体型だった。

 毎朝、まるで通天閣のビリケンを擦るように女子社員から「今日も御利益がありますように」と、そのポッコリお腹をナデナデされていた。その度に「やめて~やぁ」と叫びながら、まんざらでもないえびす顔を作っていたものだ。

 ジンさんは、朝から酒をあおったような「赤ら顔」だった。どうやら3年ほど前に心筋梗塞で倒れ、それ以来、血管を拡張する薬を飲んでいるからだという説明だった。

 「山笠はん、俺もなー、心筋一本いわしましてな~。ニトロ持ち歩いてまんねん。今度いわしても~たら一巻の終わりですわ~。ほな皆さん、さいなら~、ちゅうことですねん」。「いや~、さすがにね、たばこはスパッと止めましたわぁ。でもな、酒はアカン。止められまへん。酒まで止めても~たら、あんた、人生な~んも面白いことあらへんでぇ」。

 ジンさんは自称大阪のおぼっちゃま高校を卒業し、大手印刷会社に就職するも製造現場で使用する溶剤にラリってしまい(?)あえなく1年で退職となったそうだ。その後は芸能プロダクションに入り、某女優さんのマネジャーになったり、ロケバスの運転手をしたり、はたまた雑貨商になったりと職を転々とした後、20年ほど前、たまたまキャンペーンのフィールドスタッフとして仕事を手伝ってもらったのをきっかけに契約社員となり、5年ほど前、晴れて正社員として中州食品工業にもぐり込んでしまったという。今や社内外、誰もが愛する「オンナっ気のない春団治」ことジンさんであった。

 

<プロフィール>

山笠太郎(やまがさ・たろう)

 1960年生まれ。三無主義全盛のなか、怠惰な学生生活を5年過ごした後、大手食品メーカーにもぐり込む。社内では、山笠ワールドと言われる独特の営業感で今日に至る。博多山笠は日本一の祭りであると信じて疑わない。

 

おススメ記事

2018年06月29日

【7/18】消費者行政新未来創造オフィスシンポジウム

 消費者庁は7月18日、「消費者行政新未来創造オフィス・愛媛県・愛媛大学シンポジウム」を愛媛大学・南加記念ホール(愛媛県松山市)で開催する。定員250人、参加費は無料。  プログラムは「食べきり侍 参上!」、「学生が運営 […]

伊藤園、ポケモンパッケージの『ポケットべジ』発売

 (株)伊藤園(東京都渋谷区、本庄大介社長、TEL:0800-100-1100)は7月2日、(株)ポケモン(東京都港区、石原恒和社長)とタイアップし、パッケージにポケモンたちをデザインした野菜・果実ミックス飲料『充実野菜 […]

永谷園、黄金しじみエキス配合のみそ汁を数量限定発売

 (株)永谷園(東京都港区、飯塚弦二朗社長)は7月から、黄金しじみエキスを配合した『1杯でしじみ70個分のちから みそ汁』『――塩分控えめ』を数量限定で順次発売する。黄金しじみは、台湾の花蓮にある水産養殖専業区で育てられ […]

ル・パティシエヨコヤマ、洋菓子を自主回収

 消費者庁のリコール情報サイトは28日、(有)ル・パティシエヨコヤマ(千葉県習志野市)による洋菓子の自主回収情報を掲載した。  対象商品は『谷津干潟の卵』。アレルゲン(小麦)の記載漏れのため、自主回収している。連絡先はT […]

2018年06月29日

ビフィズス菌が産生する酸に新たな作用

 協同乳業(株)(東京都中央区、尾崎玲社長)は28日、腸内ポリアミンが複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生合成され、その生合成経路はビフィズス菌などが産生する酸によって作動することを確認したと発表した。研究成果は学術誌『 […]