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遺伝子組み換え表示検討会が最終結論(後)

【解説】

<鍵握る再現性のある検査法の確立>

 「遺伝子組み換え表示制度に関する検討会」は昨年4月に発足。10回の会合を重ね、結論を導き出した。当初、表示義務対象品目の拡大などが焦点だった。検討会では多数の委員が、不適正な表示を監視するために事後チェックを重視。そのなかで、追加品目として挙がったのが「コーンフレーク」だった。

14日開催の最終会合では報告書(案)について議論

 調査の結果、コーンフレークについては最新の分析技術を用いれば、DNAを検出できることが判明。ところが、国立医薬品食品衛生研究所が分析法の再現性を確認するために、別の2つの分析機関で検査したところ、結果にばらつきが見られた。分析法に再現性がないことから、コーンフレークの追加が見送られたという経緯がある。

 複数の消費者代表委員は、「表示義務の対象範囲が拡大されずに残念」と悔しさを隠さない。今後、対象品目が追加されるかどうかは、再現性のある検査法の確立が鍵を握っていると言える。

 「遺伝子組み換えでない」表示のルール変更にともなって、消費者庁は国立医薬品食品衛生研究所に依頼し、新たな公定検査法を開発する。「だれがどこで実施しても、同じ結果が出る検査法を想定している」(湯川座長)という。再現性で安定感のある検査法を目指す考えだ。開発には半年~1年程度かかると予想される。

 

<「遺伝子組み換えでない」表示が激減?>

 検討会の議論を振り返ると、制度の枠組みを維持する方向性が早々と固まったため、会議を傍聴した関係者からは冷めた声も出ていた。しかし、大詰めを迎えた頃に「遺伝子組み換えでない」表示の見直しが本格化し、再び関心が高まったとみられる。現在、多数の商品で記載されている「遺伝子組み換えでない」表示が困難となるためだ。

 とくに、輸入トウモロコシを原材料に使用する企業の多くで、表示内容を改める動きが相次ぐと予想される。14日の会合後に行われた記者レクで、湯川座長は「輸入トウモロコシの場合は意図せざる混入があり、『不検出』のものは少ないと思う」との見解を述べた。

 新たな制度の下では、トウモロコシや大豆を使用した商品で「遺伝子組み換えでない」表示を行うためには、従来よりも厳格なIPハンドリングが求められそうだ。

 

<施行時期は未定>

 施行に向けて、消費者庁は説明会の開催、食品表示基準の改正、通知やQ&Aによる対応などを進める。「遺伝子組み換えでない」表示の要件などは、食品表示基準の改正で対応すると考えられる。

 今のところ、施行の時期は未定。消費者庁の担当官は「具体的な案はまだない。方向性の整理が付いたので、具体的に落とし込む作業に入り、そのなかで施行時期なども決める」(食品表示企画課)と話す。また、「経過期間を置くという方法だと、現行ルールと新ルールで『遺伝子組み換えでない』の意味合いが異なる」とし、新制度への移行の仕方も検討課題に挙げる。

 施行後、消費者庁はモニタリング調査を実施し、新たな制度の運用状況を確認する計画だ。モニタリング調査は定期的に行い、表示に対する消費者意識を把握する。「調査の結果、必要があれば(制度を再び)見直すが、順調に制度が運用されていれば見直す必要はない」(同)と説明している。

(了)

【木村 祐作】

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