<6月1日施行を予定>
厚生労働省は14日の消費者委員会で、新たな医療広告規制を今年6月1日に施行する方針を示した。美容医療サービスをめぐり、消費者トラブルが多発していることに対応する。
医療機関が行うウェブサイト上の広告については法規制がなく、これまで罰則がない行政指導によって対応してきた。しかし、美容医療の行き過ぎた広告や、事実と異なる広告による消費者トラブルが急増。これに対応するため、昨年6月の医療法改正により、ウェブ広告も規制の対象に加えた。この日の会合で厚労省の担当課は、省令で一律に禁止する広告と、一定条件の下で認める広告について説明した。
新たな省令で定める広告として、「治療効果に関する体験談」、「患者を誤認させる恐れがある治療の前後(ビフォーアフター)の写真」の2つを挙げた。
「体験談」については、禁止事項として「患者などの主観、伝聞に基づく治療の内容・効果に関する体験談を広告してはならない」ことを省令で規定する予定。個人の主観に基づく評価であるために情報の有用性が限定的となること、医療の適切な選択の際に影響が大きいことを問題視した。
一方、術前後の写真については、患者が受けようとする施術の具体的な効果のイメージを把握できるメリットもあると指摘。このため、一定要件の下で広告を可能とする考えだ。
具体的には、省令で「患者を誤認させる恐れがある治療前・後の写真を広告してはならない」ことを禁止事項として規定。同時に、治療内容や費用、リスク、副作用などの詳細説明を付けた場合には、広告が可能である旨をガイドラインに記載すると説明した。
【木村 祐作】