アマニフォーラム実行委員会は6日、「第4回アマニフォーラムセミナー」を都内で開催した。業界関係者など約100人が参加した。
東京大学の飯島勝矢教授は、「フレイル予防は『総合知』によるまちづくり―オーラルフレイルから何を伝えるのか―」をテーマに講演した。
「定年退職し、社会的に孤立している男性は、同居者がいてもフレイルのリスクが高い傾向にある。運動習慣だけではなく、文化活動やボランティア・地域活動を通じた社会参加が重要」と説明。また、「口腔機能(オーラル)の衰えが将来的な死亡リスクを高める可能性がある。滑舌の低下や食べこぼし、わずかなむせなどの些細な症状に気付くことがフレイル予防につながる。1人暮らしかどうかではなく、孤食かどうかが重要だ」との考え方を示した。
(公社)日本栄養士会常任理事の石川祐一氏は、「超高齢化社会を迎えて―管理栄養士ができること―」について講演した。
「高齢者の栄養問題として、低栄養と栄養過剰の両方が見られる。栄養過剰は、肥満を招き生活習慣病を引き起こす。また体重が増えた分、膝や腰に負担がかかりロコモの原因となる。一方、低栄養は低血糖や低アルブミン血症、貧血を起こす。栄養不足から骨や筋肉量が減り、ロコモの原因となる」と指摘。「医療は当然ながら、福祉や地域における栄養管理の連携体制整備が急がれる。栄養をつなぐ役割として、管理栄養士の存在が重要」と話した。
【藤田 勇一】