<複数菌の投与が効果的>
特定非営利活動法人健康食品フォーラムは15日、健康食品セミナー「アレルギー予防と食品・栄養素」を都内で開催した。あいち小児保健医療総合センター副センター長の伊藤浩明氏は、小児アレルギーに対するプロバイオティクスを用いた予防について、単独よりも複数の菌の投与が効果的であると説明した。
同氏は「食物アレルギーを予防する食品・栄養素~子どもをアレルギーにしないために~」をテーマに講演。研究で、生後1カ月時の腸内細菌叢を(1)ビフィズス菌が多い群、(2)Lachnospiraceaeが多い群、(3)ビフィズス菌やラクトバチルスなどフェカリバクテリウムが少ない群の3群に分類し、アレルギーとの相関性を調べたという。その結果、(3)の群では、2歳時アトピーと4歳児喘息が多く、2歳児でアレルゲン感作が強まることがわかったと述べた。
また、プロバイオティクスのアトピー性皮膚炎に対する予防効果について、各論文を解析した結果も報告した。ラクトバチルスやビフィズス菌など、1種類の菌種を用いた研究では予防効果が弱く、複数の菌種を用いた研究では総じて予防効果が高かったと指摘。同氏は「異なる菌種を複数配合することで有効性が高くなる」と話した。
プロバイオティクスを用いた小児アレルギー予防の今後の方向性についても言及。私見として、腸内細菌叢を最初にスクリーニングして離乳食指導を行うことや、医療現場では多種類の菌を投与することなどを挙げた。
【越中 矢住子】