健康情報ニュース.com >  健康食品  > 学術 > 【寄稿】トクホの自主回収問題、「品質確保にはGMPが必要」
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年05月29日

【寄稿】トクホの自主回収問題、「品質確保にはGMPが必要」

池田秀子理事長

 (一社)健康食品規格協会(JIHFS)の池田秀子理事長から、(株)佐藤園と大正製薬(株)による特定保健用食品(トクホ)の自主回収の問題について、見解が寄せられたので紹介する。

 自主回収、そして終売となった今回の問題製品が、「品質の高さ」をうたってきた製薬会社によって販売されてきたものであったことには驚かされた。 

 特定保健用食品(トクホ)の問題の1つは、国が機能性を許可するにも関わらず、その許可条件に品質確保のための一定レベルの要件が明示されていないことである。「有効性」と「安全性」の両方を品質によって担保するには、GMPによる管理がふさわしい。しかし、トクホでは品質を確保するための具体的システム、端的に言えばGMPは求められていない。

 以前、(一財)医療経済研究・社会保険福祉協会(社福協)で約2年間にわたって行われた「健康食品の安全性及び品質確保のための研究」の議論でも、トクホの品質確保の問題について指摘する声が多かったと記憶している。錠剤・カプセル状などの健康食品ではGMPガイドラインが示されているが、本来はトクホを含め、機能性表示を行っている加工食品全てを対象にすべきだと思う。機能性をうたう製品、すなわち有効成分の含有量が問題になる製品の品質を保証するには、計画通りの製品であることの検証を求めるGMPが必要だ。そのためにはバリデーションという方法が重要になる。国が許可する以上、そうした厳密性を求めるのは当然と思われる。

 昨年のトクホの許可取り消し事件を契機に浮き彫りにされたトクホの品質問題は、昨日や今日の問題ではなく、基本的な問題である。これは衛生的に食品を製造して、食中毒などによる健康被害を防ぐことを目的としているHACCPだけでは対応しきれない問題であり、「有効性と安全性」の両方を「品質」によって確保するために開発されたシステムであるGMPをトクホについても採用すべきかどうかについて検討が必要だろう。現在の機能性表示食品でも、一般加工食品に対してはGMPを求めていないので、トクホと同じような状況を生む可能性がある。

 ただし、形だけのGMPでは意味をなさず、実質的に品質を確保できる、つまり、計画した通りに製品全体が均一性をもって製造されていることを保証するところまで行かなければ意味がない。JIHFSは、そのためにバリデーションの必要性を説いてきたが、これに対しては長い間、否定的見解を示す勢力があったことも否めない。そのために、日本の健康食品GMPが長い時間、低迷してきたという事実も認識しなければならない。

 今回の事例に基づき、JIHFSも襟を正して改めて取り組んでいくが、業界ももっと真剣に品質確保に向かい合ってもらいたいと思う。

【池田 秀子】

 

おススメ記事

2018年06月29日

【7/18】消費者行政新未来創造オフィスシンポジウム

 消費者庁は7月18日、「消費者行政新未来創造オフィス・愛媛県・愛媛大学シンポジウム」を愛媛大学・南加記念ホール(愛媛県松山市)で開催する。定員250人、参加費は無料。  プログラムは「食べきり侍 参上!」、「学生が運営 […]

伊藤園、ポケモンパッケージの『ポケットべジ』発売

 (株)伊藤園(東京都渋谷区、本庄大介社長、TEL:0800-100-1100)は7月2日、(株)ポケモン(東京都港区、石原恒和社長)とタイアップし、パッケージにポケモンたちをデザインした野菜・果実ミックス飲料『充実野菜 […]

永谷園、黄金しじみエキス配合のみそ汁を数量限定発売

 (株)永谷園(東京都港区、飯塚弦二朗社長)は7月から、黄金しじみエキスを配合した『1杯でしじみ70個分のちから みそ汁』『――塩分控えめ』を数量限定で順次発売する。黄金しじみは、台湾の花蓮にある水産養殖専業区で育てられ […]

ル・パティシエヨコヤマ、洋菓子を自主回収

 消費者庁のリコール情報サイトは28日、(有)ル・パティシエヨコヤマ(千葉県習志野市)による洋菓子の自主回収情報を掲載した。  対象商品は『谷津干潟の卵』。アレルゲン(小麦)の記載漏れのため、自主回収している。連絡先はT […]

2018年06月29日

ビフィズス菌が産生する酸に新たな作用

 協同乳業(株)(東京都中央区、尾崎玲社長)は28日、腸内ポリアミンが複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生合成され、その生合成経路はビフィズス菌などが産生する酸によって作動することを確認したと発表した。研究成果は学術誌『 […]