抗酸化ビタミンの摂取量と脳卒中の発症リスクは関連しないことが28日、(国研)国立がん研究センターが公表した多目的コホート研究の結果からわかった。
研究グループは、1990年と93年に全国9地域に在住し、5年後の調査時に45~74歳だった男女約8万2,000人を対象に実施。12年間にわたり追跡し、抗酸化ビタミン(α‐カロテン、β‐カロテン、トコフェロール、ビタミンC)の摂取量と、脳卒中発症との関連性を調査した。追跡期間中に3,541人が脳卒中(そのうち脳梗塞が2,138人)を発症した。
研究開始から5年後に実施したアンケート調査の結果を活用して、食事からの抗酸化ビタミンの摂取量を算出し、その後の脳卒中の発症リスクを分析。その際、喫煙や運動習慣などの脳卒中に関連する項目による影響を排除して調べた。その結果、α‐カロテン、β‐カロテン、トコフェロール、ビタミンCの摂取量は、いずれも脳卒中・脳梗塞の発症と関連しないことが確認された。