健康情報ニュース.com > 機能性表示食品 > 消費者庁、機能性表示食品の臨床試験と安全性評価を検証(前)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年10月17日

消費者庁、機能性表示食品の臨床試験と安全性評価を検証(前)

<業界団体や〇〇協会の雑誌を問題視>

 消費者庁は16日、機能性表示食品の届出で求められる臨床試験や、安全性評価の実態を検証した報告書を公表した。検証結果を適切な制度運用と、届出資料の質の向上に反映させる考えだ。

 (1)最終商品を用いた臨床試験論文の検証、(2)食経験による安全性評価の適切性に関する検証、(3)安全性審査の検証、(4)健康被害情報の収集手法に関する検証――の4項目を実施した。

 最終商品を用いた臨床試験の論文の検証は、2016年9月末までに公表された届出34件の34報を対象に実施した。

 論文を投稿した雑誌を調べた結果、投稿規定が設けられていないもの、査読の有無が明記されていないものが、それぞれ3割前後を占めた。

 報告書では、論文を投稿する雑誌について、適正な査読が行われたことが重要と指摘。投稿規定や編集方針が「公開されていることが望まれる」とした。一方、業界団体や〇〇協会が主催する学術雑誌は、企業との関係性が深い組織が査読を行って公表することから、COI(利益相反)が疑われ、否定的に見られるとし、注意を促した。また、投稿から受理までの期間が短すぎる場合も、疑義が生じるとしている。

 投稿先については、インパクトファクター(IF)が付与されている雑誌、学術雑誌評価ツールのJCR(Journal Citation Reports)に索引されている雑誌、学術学会・大学出版社などで組織する「STM」や学術論文の出版規範を策定する「COPE」に加盟している雑誌などを推奨している。

 

<副次アウトカムの有意差は「参考程度」>

 試験方法の検証は、研究デザイン、サンプルサイズ、主要・副次アウトカムの設定など多岐に渡る項目を対象に実施した。

 研究デザインでは、単群での前後比較試験では変化が介入によるものかどうかの判断が不可能なため、根拠としての信頼性が乏しいと指摘。参考値の位置付けにとどめるべきとした。

 サンプルサイズを調べた結果、「大(100例以上)」が9報、「中(21~99例)」が21報、「小(20例以下)」が4報だった。少なすぎると再検証が必要となったり、結果が不明確で終わったりするため、機能性表示食品の科学的根拠として、その効果が意味のあるものと言えるかどうかを十分に検討するように求めている。

 主要アウトカムについては「設定されている」が9報、「設定されていない」が25報を数えた。副次アウトカムは「設定されている」が6報、「設定されていない」が28報の内訳となった。

 報告書では、副次アウトカムで有意差が出たとしても、参考値程度の位置づけでとらえる必要があるとの見解を示した。主要アウトカムで有意差が出ず、副次アウトカムで出た場合は、「有効と言えない」と結論付けるべきと説明。また、多数の副次アウトカムを設定し、後付けするように「有効である」と主張することは、科学的に誤りであると問題視している。

(つづく)

おススメ記事

2018年06月29日

【7/18】消費者行政新未来創造オフィスシンポジウム

 消費者庁は7月18日、「消費者行政新未来創造オフィス・愛媛県・愛媛大学シンポジウム」を愛媛大学・南加記念ホール(愛媛県松山市)で開催する。定員250人、参加費は無料。  プログラムは「食べきり侍 参上!」、「学生が運営 […]

伊藤園、ポケモンパッケージの『ポケットべジ』発売

 (株)伊藤園(東京都渋谷区、本庄大介社長、TEL:0800-100-1100)は7月2日、(株)ポケモン(東京都港区、石原恒和社長)とタイアップし、パッケージにポケモンたちをデザインした野菜・果実ミックス飲料『充実野菜 […]

永谷園、黄金しじみエキス配合のみそ汁を数量限定発売

 (株)永谷園(東京都港区、飯塚弦二朗社長)は7月から、黄金しじみエキスを配合した『1杯でしじみ70個分のちから みそ汁』『――塩分控えめ』を数量限定で順次発売する。黄金しじみは、台湾の花蓮にある水産養殖専業区で育てられ […]

ル・パティシエヨコヤマ、洋菓子を自主回収

 消費者庁のリコール情報サイトは28日、(有)ル・パティシエヨコヤマ(千葉県習志野市)による洋菓子の自主回収情報を掲載した。  対象商品は『谷津干潟の卵』。アレルゲン(小麦)の記載漏れのため、自主回収している。連絡先はT […]

2018年06月29日

ビフィズス菌が産生する酸に新たな作用

 協同乳業(株)(東京都中央区、尾崎玲社長)は28日、腸内ポリアミンが複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生合成され、その生合成経路はビフィズス菌などが産生する酸によって作動することを確認したと発表した。研究成果は学術誌『 […]