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2017年10月11日

ASCON、機能性表示食品の根拠を評価 「見解不一致」9件

<複数成分の組み合わせなど問題視>

 機能性表示食品の根拠について民間の立場から評価・判定を行う(一社)消費者市民社会をつくる会(ASCON、阿南久理事長)は10日、機能性表示食品のA171~A310の届出を対象とした評価・判定の結果を公表した。

 アカデミアで組織するASCON科学者委員会が評価した結果、「A判定(有効性に十分な科学的根拠あり)」が55件に上った。「B判定(有効性にかなりの科学的根拠あり)」は50件、「C判定(有効性にある程度の科学的根拠あり)」は62件だった。

 一方、届出企業と考え方が異なり、議論が平行線をたどった「見解不一致」は9件を数えた。そのうち4件は届出を撤回している。

 「見解不一致」となった届出のうち、複数の機能性関与成分を組み合わせたものが4件含まれる。機能性関与成分が「テアニン、ピペリン、クレアチン、プロテオグリカン」と「ギムネマ酸、桑の葉由来イミノシュガー、エピガロカテキンガレート、キトサン、インゲン豆由来ファセオラミン」の2件については、「合剤にすることの科学的根拠が不明確」な点を問題視した。

 また、機能性関与成分が「EPA・DHA450mg」の2件は、「製品の用量による効果を裏付ける論文が確認できない」ことから評価を保留。「セサミン10mg」の1件も、「採用論文の有効性がビタミンEによる効果ではなく、セサミン単独による効果であるとの根拠が不明」とし、評価を保留した。

 

<不満よりも努力を>

【解説】

 ASCON科学者委員会の判定結果に不満を持つ業界関係者は少なくない。例えば、「A判定」は「5報以上のRCT論文やシステマティック・レビュー(SR)で有効の判定がある場合」と規定しているが、業界内では「たとえ1報でも優れた論文があればよいのではないか」の声がある。

 しかし、1報程度のSRやRCT論文で届け出た事例を見ると、届出企業が研究を実施していたり、世界的には無名に近いジャーナルに掲載されていたりするケースがほとんどだ。なかには、投稿から査読まで1週間もかからないジャーナルもある。街のクリーニング店も真っ青になるほどの迅速サービスと言える。

 そうした貧弱な根拠によって有効性があると言われても、ASCON科学者委員会の科学者(豊富な実績のある科学者)は、到底受け入れることはできないだろう。さらに、貧弱な論文1~2報だけで「根拠あり」とされ、届出が公表された場合、最終的に迷惑を被るのは消費者だ。

 ASCON科学者委員会は、RCT論文が1報のみ、または2報以上で有効と無効が拮抗するケースを「C判定」としている。サイエンスの視点に立っても、消費者の視点に立っても妥当と言えるだろう。業界関係者は「たとえ1報でも…」と不満をぶつけるよりも、科学的根拠を積み重ねて「A判定」に到達する努力が必要と言える。

 今回のA170~A310までの届出を対象とした評価・判定では、複数の機能性関与成分を組み合わせた届出が問題視された。10日に開かれた意見交換会では、この点について参加した業界関係者から反論の声が上がった。しかし、その内容は業界にとってハードルが高いといったものであり、消費者視点に立った真摯な姿勢は見られなかった。その場に居合わせた多くの消費者団体の関係者も残念に思ったことだろう。

 複合成分の問題を指摘したのは、ASCONが初めてではない。これまでにも、機能性関与成分検討会で一部委員から提起されていた。複数成分を組み合わせた食品は、かたちを変えた「関与成分が明確でない食品」の側面を持つという指摘だ。

 ASCON科学者委員会副委員長の鈴木勝士氏は、「複数の機能性関与成分の配合理由が不明確な製品は科学的に受け入れられない」と話している。なぜ、3つも4つもの成分を組み合わせる必要性があるのか。届出企業にはアカデミアを納得させる説明が求められる。そうでなければ、科学的根拠をベースとする機能性表示食品制度の根幹が揺らぐことになる。

 複数成分の組み合わせがだめと言っているのではなく、その理由を説明する必要があると指摘しているわけだ。業界関係者には、そうした疑問に正面から向き合うことが求められている。

【木村 祐作】

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