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2017年09月26日

「葛の花」機能性表示食品、謝罪広告の真相

<食事制限と運動が前提に>

 「葛の花由来イソフラボン」を配合した機能性表示食品の広告について、消費者に謝罪する届出企業が相次いでいる。これは、消費者庁の問い合わせや調査を受けた対応とみられる。問題点は何か。その真相に迫った。

 葛の花由来イソフラボンを配合した機能性表示食品では、「肥満気味な方、体重(BMI)が気になる方、お腹の脂肪が気になる方、ウエスト周囲径が気になる方に適した食品」といった効果が表示できる。多数の販売会社が届出を行うなど、機能性表示食品の成功例の1つと考えられてきた。ところが、その広告内容をめぐって、スギ薬局を皮切りに各社が相次いで消費者に謝罪。健康食品業界に波紋が広がった。

 関係者によると、消費者庁はスギ薬局が5月31日に謝罪広告を出す前から、葛の花由来イソフラボンの機能性表示食品を対象に問い合わせや調査を開始。その後、6月9日にテレビショッピング研究所が謝罪し、8月1日に日本第一製薬、8月30日にニッセンもホームページで謝罪文を掲載した。

 葛の花由来イソフラボンは東洋新薬のオリジナル原料。また、葛の花由来イソフラボンの臨床試験や研究レビューは同社によるもので、今回の問題の鍵を握るとみられるが、同社は取材に対して「回答できない」としている。

 研究レビューで採択された論文の1つであり、また、最終製品を用いた臨床試験によって届け出た商品の根拠論文となっている臨床試験がある。BMI25以上の軽肥満の成人男女90人を対象とする二重盲検並行群間比較試験だ。葛の花由来イソフラボン(テクトリゲニン類として42mg/日)を含む錠剤の摂取群、同(28mg/日)を含む錠剤の摂取群、対照群に分けて12週間にわたって摂取させたところ、高用量群では腹部内臓脂肪面積が対照群と比較して8週間後と12週間後に有意に低下するなどの結果を得たとしている。

 さらに詳細に見ると、被験者は試験期間中、1日の摂取カロリーを2,000kcal程度に抑え、1日当たり9,000歩前後を歩いた。この条件は、一般的な日本人の中年男性に限った場合、厳しいと言える。厚生労働省の食事摂取基準によると、30~49歳の男性の推定エネルギー必要量は2,300~3,050kcal。臨床試験の2,000kcal程度では、中年男性が必要とするエネルギー量を下回る。また、臨床試験の被験者は1日当たり9,000歩程度を歩いたが、オリンパス健康保険組合がホームページで公表している歩数換算表によると、1,000歩が33kcalのため、9,000歩だと1日に297kcalを消費したことになる。

 消費者庁が「摂取カロリーを消費カロリーが上回らないと痩せない」という見解を出しているように、機能性表示食品であっても、いわゆる健康食品であっても、食事制限や運動をせずに、サプリメントを摂取するだけで痩身効果を得られることはない。

 葛の花由来イソフラボンの機能性表示食品も、食事制限や運動を行っている肥満気味の人などが摂取することで効果が期待できる。このことを考えると、本来ならば届出表示に、「1日当たりの摂取カロリーが2,000kcal程度で、1日に約9,000歩を歩く人の場合…」という前提条件を入れることが必要と言えそうだ。

 謝罪した各社では、食事制限と運動が必要であることをわかりやすく表示せずに、機能性を強調していたようだ。スギ薬局は、機能性表示食品『葛の花プレミアム青汁』などの広告について、消費者に過度な期待を抱かせる内容だったと反省。「本商品を摂取さえすれば、どんな条件下でも誰もが容易に痩身効果を得られるとお客様に過度に期待を抱かせる表示」を行っていたと説明している。

 消費者庁が調査に入った結果、一部の企業は全国紙やホームページで謝罪し、また一部の企業では臨床試験の条件を広告に記載するといった動きが出ている。実際、ある企業の通販サイトを見ると、以前は記載されていなかった臨床試験の条件が明記されている。

 効能効果を訴求できる機能性表示食品であっても、厳しく監視されていることを改めて突き付けられたと言える。

         (山本 剛資)

※詳細はI.Bヘルスケア49号に掲載予定

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