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2017年07月31日

日本アントシアニン研究会、機能性評価モデル事業を再検証(前)

<ビルベリーエキス、再評価で「B」ランクに昇格>

 日本アントシアニン研究会(矢澤一良会長)はこのほど、ビルベリーエキスの機能性について、機能性評価査定会議を発足して再評価を行った。各委員が出した結論はすべてが「B」評価。同日、特別講演で参加した国立医薬品食品衛生研究所の合田幸広薬品部長も「B評価でいいと思う」とした。2011年から12年にかけて消費者庁が(公財)日本健康・栄養食品協会(JHNFA/当時は一般財団法人)に委託した事業「食品の機能性評価モデル事業」の結果「C」に対し、異を唱えるかたちとなった。

機能性評価査定会議による報告会

 評価に当たった委員は、東京大学名誉教授で(公財)食の安全・安心財団の唐木英明理事長、城西大学大学院の日比野康英教授、お茶の水女子大学の室伏きみ子学長など、機能性評価モデル事業でパネル評価を務めた委員に、東京大学大学院の加藤久典特任教授が加わった。

 評価方法は、かつてのモデル事業の反省に立って、論文の結果を肯定的・否定的に分けるゼロサム評価とはせず、「肯定的(設置した研究事項に対して統計的に有意)」、「どちらともいえない(意味のある副次的項目で肯定的、かつ総合的に肯定的)、「肯定的ではない(層別解析などの都合の良いところだけが有意)」、「否定的(有意な結果を示さない)」の4段階に分けて、著者がどのような立場で、どのように考察を論述したのかを評価した。評価基準は以下のとおり。

 A「機能性について明確で十分な根拠がある(Convincing)」、B「機能性について肯定的な根拠がある(Probable)」、C「機能性について示唆的な根拠がある(Possible)」、D「機能性について示唆的な根拠が少数ながら存在するが不十分」、E「ヒトでの効果確認例がなく、根拠レベルの評価不能」、F「機能性について否定的な根拠がある、あるいは、根拠情報と見なせるものがほとんどない」。                                                                    

 また今回は、モデル事業で課題とされたCOI(利益相反)を重視した。企業が出資した研究は、事前に設置したリサーチクエスチョンで有意でなくとも、別の試験項目で統計的に意味がある数字が示されたときに、肯定的な結果を示したとして論文が一人歩きする傾向がある。15年4月に施行された機能性表示食品制度でも、引用者が意図的に論文の趣旨を曲げて機能性表示食品として届け出て、後になって論文の著者と引用者が係争するという残念な事態も生じた。同会議では、モデル事業で減点されなかった利益相反について、「生物学的、方法論的に検証されているマーカーが用いられているか」、「結果は統計分析されているか」など、統計分析についてかけ離れたときの評価はゼロとし、その結果に応じて減点方式を取り入れた。

 同会議で対象とした論文は12報。モデル事業では9勝3敗という結果だったが、今回は6勝6敗だったにもかかわらず、B評価が示された。各委員の評価を以下に紹介する。

 唐木理事長「B評価でよい」、 加藤特任教授「論文の数からA評価は無理だが、少なくともBが妥当」、 日比野教授「Bが妥当。メタ分析まで行われた上での評価であればAも」、 室伏学長「肯定的なB評価として捉えてよい」。

 唐木理事長は、今回の評価方法を妥当な手法とした上で、「ビルベリーエキスの効果の大きさについてのものだったわけではない。論文の根拠のレベルがBだったという結果である」と、評価の扱い方に対して事業者に注意を促した。同研究会理事長の矢澤一良氏も、お墨付きを得たかのようにB評価を利用することを会員に対して戒めている。

(つづく)

【田代 宏】

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