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酸化ストレス・抗酸化セミナー、テロメアや疲労などの最新知見を報告

セミナーには120人以上が参加

 (株)ウイスマー(本社:東京都文京区、関泰一代表)は9日、「第15回酸化ストレス・抗酸化セミナー~酸化ストレス評価法(d-ROMs・BAPテスト等)の役割と先制医療への貢献~」を都内で開催した。医療関係者や研究者など120人以上が参加した。

 「先制医療」と呼ばれる予知・予防医学に向けての酸化ストレス・抗酸化力の定期的なモニタリングと、そのソリューションの重要性について、国内外の最前線にいる医師や研究者などが最新の研究成果を発表した。

  運動生理学で著名な日本体育大学体育学部の杉田正明教授は、「長距離選手における酸化ストレス度と抗酸化力」をテーマに講演した。杉田氏は長距離選手の酸化ストレス度(d-ROMs)や抗酸化力(BAP)、潜在的抗酸化能の水準(値)を継続的に測定し、試合前の体調や試合の成績を予測する上で有用な指標になるか、またどのようにすれば良い状態になるのかを調べていると説明。その一端として、全日本実業団女子駅伝で3連覇している選手14人を対象に、1年2カ月にわたって実施した縦断的測定の結果を紹介した。

 測定項目はフリーラジカル解析装置による酸化ストレス度、抗酸化力の測定、併せて主観的な疲れ(VAS)、心理テスト(POMS)、睡眠時間など。酸化ストレス度は平均値と各測定日の間に有意差はなかったが、抗酸化力は合宿後の値が平均値より有意に低い値となり、酸化ストレスの偏差値とベストタイムの割合の間には有意な負の相関関係が認められたと報告。これらのことから、酸化ストレス状態、とくに抗酸化力のモニタリングは疲労度を反映し、競技成績を予測する観点からも有用であることが示唆されたと説明した。

 疲労研究の第一人者である関西福祉科学大学健康福祉学部の倉恒弘彦学部長・教授は、「筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)における最近の知見」と題し講演。1980年代に米国で慢性疲労症候群(CFS)が報告され始めた経緯から、さらに筋痛性脳脊髄炎(ME)と併せた研究が国内でも進展していることなどを紹介した。

 とくに日本では2011年以降、厚生労働省研究班を中心に、筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群(ME/CFS)の病因・病態の解明に向けた臨床研究が進められていることを紹介。さらに、倉恒氏が代表研究者を務める日本医療研究開発機構(AMED)のCFS研究班では日常的な検査が可能で、客観的に疲労状態を測定できる新たなバイオマーカーに基づく臨床診断の検討も進めており、その1つの指標として酸化ストレス値・抗酸化力・酸化ストレス度測定の有用性に着目していると話した。東日本大震災の被災者と山口県の一般住民における酸化ストレス値の比較などを抗酸化力の測定で行い、CFS診断に生かしているといったME/CFSに関する最新の知見を説明した。

 特別講演は、テロメア研究・宇宙医学で世界的な研究者の米国ハーバード大学のImmaculata De Vivo氏による「地中海料理の長寿への影響:テロメアと酸化ストレスの役割」。DNA染色体の先端に存在するテロメアは、ヒトの健康やさまざまな点で注目されている。Vivo氏はテロメアの短縮速度を変えることが健康や寿命に影響を及ぼす生活要因について解説。近年、喫煙や体格指数、ストレス、生活習慣などの特定の生活要因がDNA損傷の増加につながり、テロメア短縮の加速と相関していることが明らかになってきていることについて、さまざまな症例を取り上げながら紹介した。

 とくに地中海ダイエットや適度な運動、瞑想などの生活要因が、テロメアの短縮率に影響し、個人の健康を守ることにもつながる可能性があると指摘。5,000人の女性を対象にした地中海ダイエットの症例では、平均で4.5年程度の寿命が延びるテロメアへの好影響が見られたこと、地中海食は個々の食材の抗酸化力や抗炎症力があるが、地中海食として全体で摂取することによりテロメアへの相関がみられたことにも言及した。

 このほか特別講演として、イタリア酸化ストレス研究機構のEugenio Luigi Iorio 会長が「酸化ストレスバイオマーカーの現在と今後」について講演。また、足利工業大学看護学部の山門實学部長・教授が、栃木県足利市で行う高齢者を対象とした足利長寿研究に関する「『足利長寿研究』の概要」を報告するなど、合計8講演が行われた。

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