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2017年07月06日

日本アントシアニン研究会、ビルベリーの機能性評価を実施(後)

<「機能性査定会議」にはモデル事業の委員も>

 ――評価の具体的な中身は?

 矢澤 名称を「機能性査定会議」とし、ビルベリーエキスのエビデンスを対象に評価する。評価委員は東京大学大学院の加藤久典特任教授、東京大学の名誉教授で(公財)食の安全・安心財団の唐木英明理事長、城西大学の日比野康英教授、お茶の水女子大学の室伏きみ子学長を招聘する。唐木先生、日比野先生、室伏先生は当時のパネル評価委員を務めている。

 ――モデル事業はあくまで、機能性表示の調査目的で行われた事業。論文を利用して機能性を強調表示する機能性表示食品制度が2年前に施行されており、実験結果を曲解して引用するなどについては重大な責任がともなう時代になっている。

 矢澤 企業が出資した研究は、事前に設置したリサーチクエスチョンで有意でなくとも、別の試験項目で統計的に意味がある数字が示されたときに、肯定的な結果を示したとして論文が一人歩きする場合がある。また、引用者が意図的に論文の趣旨を曲げて、機能性表示食品として届け出て、後になって論文の著者と引用者が係争するという残念な事態も生じている。日本アントシアニン研究会でも、論文を乱用した事業者の機能性表示食品の届出に対して撤回要請を行い、係争に至る事件があった。査定会議ではそのような残念な事態が再発しないように、厳格な評価を強く希望している。

 査定会議はモデル事業とは違って、論文の結果を肯定的・否定的に留まらず、「肯定的(設置した研究事項に対して統計的に有意)」、「どちらともいえない(意味のある副次的項目で肯定的、かつ総合的に肯定的)、「肯定的ではない(層別解析などの都合の良いところだけが有意)」、「否定的(層有意な結果を示さない)」の4段階に分けて、著者がどのような立場で、どのように考察を論述したのかを読み取っていきたいと思う。

 今のところ、単純に眼精疲労だけで評価すると、肯定的が11勝で否定的は0敗ということになってしまうため、精密な仕分けが必要だ。

 

<厳格で中立的な評価に期待>

 ――日本アントシアニン研究会は何を目指しているのか。

 矢澤 本研究会は発足当時から、機能性成分としてのアントシアニンに対して、蓋然性が低い飛躍した評価や我田引水的な評価を排除することが、アントシアニン科学の質と量が高まることにつながるという前提に立っている。アントシアニン関係の研究に対し、自ら厳格な評価を行ってきたことを特徴としている。先に述べたとおり、機能性評価の手法では新ルールの導入を予定している。NIHなどの研究機関が不在の我が国では、研究出資者が企業であるケースが多く、COIの影響が実験結果の考察を歪めているため、SRなどの定性的評価では本質が読み取れない。この弱点を個別論文ごとにミクロ的に評価する手法を査定会議に導入する。

 食品を用い、健常者を対象とする文献はアウトカムが○か×というものが少なく、考察された実験の結果が研究の主要解析項目であったかどうか、例えば、良いとこ取りをして、副次的評価項目や層別解析の結果だけで肯定していないかを注意深く読み解く必要がある。

 企業による研究だけで機能性の表示を可能とする責任はあまりにも重大で、中立的な査定を改めて付与することは、結果的に研究を発信する側と利用する側の両方に対する支援につながると考えている。

 数ある成分のなかで、アントシアニンへの評価は、とくに毛様体緊張の緩和に対して作用機序や体内動態の検証は比較的整然としていると考えている。その一方で、製法や組成が管理されたエキスを評価してきており、アントシアニンだけの摂取では有効性を裏付けることができない未解明な部分も残されている。機能性評価による査定を補足する形式で、第6回大会の全体を通じて深く考えていきたい。

 ――報告書では、モデル事業の座長を努めた故・金澤一郎先生(当時:国際医療福祉大学大学院院長、東京大学名誉教授)も将来的な課題として「(COIについて)第三者機関が評価する必要がある」と総括していた。日本アントシアニン研究会の学術的な評価に期待したい。

(了)

【聞き手・文:田代 宏】

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