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2017年06月02日

【寄稿】機能性表示食品の撤回問題、「関与成分はグルコサミンでもよい」

 甲陽ケミカル(株)(本社:東京都台東区、赫太郎社長)が機能性表示食品『グルコサミン』(届出番号A139)、『コーヨーグルコサミン』(届出番号A147)の届出を撤回した問題をめぐり、(株)オムニカの高尾久貴代表から見解が寄せられた。撤回の理由は名称変更によるものとされているが、高尾氏は「名称変更の必要はなかった」としている。 

 性能が裏付けられた商品を消費者に選択させるための適正条件は、「研究が事実であること」、「研究結果が再現できる設計であること」、「市販品が設計どおりであること」の3つ。機能性表示食品では、原著論文が不正でない、論文を曲解させない届出であること、届出どおりに品質マネージメントができていること、となる。この条件は、医薬品や保健機能食品だけでなく、自動車・発電装置・携帯電話・エネルギーなど何にでも同じように要求され、商品性能の保証は成り立っている。しかし、機能性表示食品制度が施行された現在でも、いわゆる健康食品市場で乱用された事業者による曲解がまかり通り、消費者の目に見えにくい流通が繰り返されている。

 私は全く中立的な立場から、グルコサミンの問題について感じることを述べたい。細胞試験・動物試験・臨床試験で、その著者が考察した成分が「グルコサミン塩酸塩である」と、論文緒言や研究テーマで宣言した文献を見たことがない。つまり、そのようには考察されていない。従って、グルコサミンに対して行った第三者の研究文献を引用した届出について、「グルコサミンが関与成分ではない」との論理は理解しがたい。

 このような見解を招いた第1の原因は、研究レビューが行われた成分との同等性を担保するつもりもなく、第三者の論文を利用し、さらに著者の考えを無視してまでも受理を目指そうとする届出者の姿勢だ。また、このような同等性を軽視する現在の制度運用にあるのではないか。

 第2の原因は、関与成分とは「有効性を説明させる成分」と定義しながらも、わかりやすいマーカーを無理にでも関与成分として昇格させてしまうことで、届出資料がわかりやすく見えてしまうこと。

 第3の原因は、作用機序を説明せよとの要求がありながら、体内動態の要求がないアンバランスさ。血中や細胞中での分布をグルコサミン塩酸塩で説明することは不可能だろう。

 以上のような原因を前提に、塩(えん)かカチオン(陽イオン)のどちらが機能性関与成分かという議論が始まるのだが、これらの原因を直接的にも間接的にも支えていたのが、性能を保証されていないいわゆる健康食品が用いる典型的なトリックだった。

 溶液中における塩の乖離は、プロドラッグ(※)の代謝とは全く違う関係であり、情報を適切に利用するならば、関与成分は間違いなくグルコサミン分子であり、塩酸塩ではない。「塩酸塩になったことで初めて有効性が実現した」という科学者は存在しない。機能性評価モデル事業でも、活性主体をグルコサミンと定義した上で評価している。この場合、どちらが関与成分なのかはどうでもよいことである。あえて区別するなら、撤回しなくてはならない届出がほかに大量に存在しているという事実も認識し、公平に全ての成分について議論すべきである。

 結論を述べれば、関与成分はグルコサミンでよい。研究レビューの成分との同等性についての条件は、グルコサミン塩酸塩として摂取されることなど、そもそも消費者の関心事ではないだろう。

【高尾 久貴】

 

※プロドラッグ(英:Prodrug)とは、そのままでは不活性な、または明らかに活性の低い形態で投与される医薬品である。プロドラッグは投与されると、生体による代謝作用を受けて活性代謝物(英語版)へと変化し、薬効を示す。

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