DSMニュートリションジャパン(株)(本社:東京都港区、中原雄司社長)は29日、「オメガ3 サプリ先進国の技術と市場形成」と題したセミナーを都内で開催した。
米国サウスダコタ大学医学部教授で血中のオメガ3の解析キット会社「OmegaQuant」の社長でもあるビル・ハリス博士が講師を務めた。ハリス博士は、これまでにオメガ3に関連する200以上の論文を執筆し、とくに「オメガ3インデックス」を起点とした心血管疾患などに関連する臨床研究を進めている。セミナーではオメガ3インデックスを指標とした健康関連の各種研究データを解説した。
オメガ3インデックスとは、赤血球膜中のEPAとDHAの量が総脂肪酸量に占める割合。オメガ3脂肪酸レベルの有効なマーカーとして注目されており、臨床医学で利用されているという。
ハリス博士は世界中で行われた10のコホート研究(被験者数2万7,000人以上、心血管イベント数2,146)などから、オメガ3インデックスが8%であれば健康指数の平均値となり、とくに冠動脈性心疾患による死亡リスクの低減に関連すると説明した。基本的に日本人のオメガ3インデックスレベルは非常に高く、冠動脈性心疾患の罹患率が非常に低いという。だが、最近では魚食と肉食の比率が逆転してきており、減少傾向にあることなどにも言及した。
ハリス博士は複数の研究から、オメガ3インデックスが直接関与するものとして、脳灌流改善、脳容積の量(とくに海馬)、抑うつ症のリスク低減、認知機能改善、アミロイド負荷低減、認知症発症リスク低減などを挙げた。