健康情報ニュース.com > 機能性表示食品 > 機能性表示食品制度、改正へ向けた問題点とは?(6)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2017年04月24日

機能性表示食品制度、改正へ向けた問題点とは?(6)

<糖質・糖類は盛り上らない?>

 司会 糖質・糖類の一部が機能性表示食品制度の対象に加わる。今後の業界動向の見通しはどうか。

 武田 最終的にはガイドラインで示すことになっているので、今のところ、オリゴ糖や糖アルコールなどが対象になると考えている。トクホを見ると、オリゴ糖はそれほど大きな売上にはなっていない。恐らく機能性を表示できるのは、腸の健康だと思うが、競合はたくさんある。また、機能性を発揮する必要量を配合する場合、数g単位になると思うので、決して価格が安い商品ではなくなる。市場が盛り上がるかどうかについては、少し否定的な見方をしている。

(有)健康栄養評価センターの柿野代表

 司会 検討会の議論や報告書の内容について、どのように評価するか。

 武田 検討会では、業界サイドの要望がすんなり通ったという印象を受けた。トクホの範囲でもあったので、消費者団体やアカデミアの委員も、ある程度は承知していたのではないかと思う。それほど議論にならなかったと記憶している。

 高尾 制度の創設時に、食事摂取基準のある糖質・糖類が対象外とされたことで、例外を今から除外することもできないであろうから、全ての委員が賛成の方向で議論していたようだ。要は、トクホで既に規格基準型の成分が制度に組み込まれたわけである。糖質・糖類については、トクホが機能性表示食品に置き換わっても、市場がプラスにならないのではないか。糖質・糖類の研究をやり直して、外国の方にも読んでもらい、納得してもらった上で、海外に輸出するところまで展開するのであれば、盛り上がるだろう。だが、現状では、広告のネタが1つ増えるくらいの盛り上がりしか見込めないと思う。

 柿野 糖質・糖類の分野は少し広がると思う。とくにオリゴ糖については、制度がスタートとする際に既に準備していた企業もあり、それを今風に(最近の傾向で消費者庁に受理されやすいかたちに)アレンジして届け出ると予想される。ただし、機能性はやはり限られてしまうと思われ、市場の広がりは初めの方は小規模だと思う。利用の仕方としては、少し甘い菓子などにオリゴ糖を多く入れて、機能性を打ち出すような感じで進む可能性があり、サプリメントよりは菓子などの一般食品で広がるというイメージがある。

 司会 ビタミン・ミネラルについて、検討会の議論や結果についてどう考えるか。

 武田 ビタミン・ミネラルについては、食事摂取基準との兼ね合いを十分に説明できなかったと思う。栄養機能食品やトクホには、ビタミン・ミネラルの目安量に対する充足度、パーセントデイリーバリューを必ず書くことになっているが、これをすべての食品に表示すれば、機能性表示食品制度に追加できるのではないか。ただし、食品表示法を根本から見直すことになり、難しいと感じた。

(株)オムニカの高尾代表(左)と(株)グローバルニュートリショングループの武田代表

 パーセントデイリーバリューは多くの国で導入されているため、いずれ日本も導入せざるを得ないのではないか。導入すれば、ビタミン・ミネラルを入れた商品で、例えばビタミンCのパーセントデイリーバリューが500%という商品が出てくることになる。その商品が必要かどうかは、消費者が自分で判断すればよい。過剰摂取に繋がるかどうかの判断もできると思う。消費者が自ら判断するための情報提供を行わずに、過剰摂取が心配などの議論をしていても、なかなか前に進まない。議論がかみ合っていないと感じていた。

 栄養機能食品との兼ね合いについては、個人的には、栄養機能食品と機能性表示食品の併用は、ある程度できたのではないかと思っている。検討会で、機能性表示食品制度に取り込むような提案を行ってしまったため、抵抗を受けたと思うが、表示の仕方やルールをしっかりと作りさえすれば、今よりもむしろすっきりするのではないか。

 栄養機能食品制度の見直しでは、今の制度のままでよいのかという議論も出ると思う。例えば、栄養機能食品としてビタミンCの表示を使いながら、コラーゲンを強調するといった商品がある。また、品質管理体制も問われていない。そういった点の扱いで、下手をすれば規制強化になる可能性もあると危惧している。

 高尾 安全許容上限値が低いミネラルもあり、ビタミンとミネラルが一緒になってしまうと、産業界の活用方法からすると難しい。ミネラルは除外して考えるべきと思っている。安全性の議論は当然、別途行わなければならないが、今回、3次機能として成り立つかどうかの議論があまり行われなかった。

 実際に、ビタミン単独での機能性表示はなかなか難しいが、フラボノイドとの併用とかで疫学的調査などがある。抗酸化機能としてのビタミンという観点で、食事摂取基準とは別の役割について、米国では予算を使って調査しているわけだが、まずそういった3次機能、保健機能のあるビタミンの利用方法の例を挙げて議論すれば、話し合いの方向も違ったものになったのではないか。

 ビタミンの専門家に議論を委ねることは、我々が望んだ方向ではなかったので、ビタミンを機能性表示食品として使うのであれば、話は栄養機能食品との関係に戻ってくる。日本OTC医薬品協会が検討会の最初の頃に、生鮮食品からどうかと提案したが、食品形態が違うものからでもよいので、もっと一緒に考えてもよかったのではないかと思う。

(つづく)

【文・構成:木村 祐作】

おススメ記事

2018年06月29日

【7/18】消費者行政新未来創造オフィスシンポジウム

 消費者庁は7月18日、「消費者行政新未来創造オフィス・愛媛県・愛媛大学シンポジウム」を愛媛大学・南加記念ホール(愛媛県松山市)で開催する。定員250人、参加費は無料。  プログラムは「食べきり侍 参上!」、「学生が運営 […]

伊藤園、ポケモンパッケージの『ポケットべジ』発売

 (株)伊藤園(東京都渋谷区、本庄大介社長、TEL:0800-100-1100)は7月2日、(株)ポケモン(東京都港区、石原恒和社長)とタイアップし、パッケージにポケモンたちをデザインした野菜・果実ミックス飲料『充実野菜 […]

永谷園、黄金しじみエキス配合のみそ汁を数量限定発売

 (株)永谷園(東京都港区、飯塚弦二朗社長)は7月から、黄金しじみエキスを配合した『1杯でしじみ70個分のちから みそ汁』『――塩分控えめ』を数量限定で順次発売する。黄金しじみは、台湾の花蓮にある水産養殖専業区で育てられ […]

ル・パティシエヨコヤマ、洋菓子を自主回収

 消費者庁のリコール情報サイトは28日、(有)ル・パティシエヨコヤマ(千葉県習志野市)による洋菓子の自主回収情報を掲載した。  対象商品は『谷津干潟の卵』。アレルゲン(小麦)の記載漏れのため、自主回収している。連絡先はT […]

2018年06月29日

ビフィズス菌が産生する酸に新たな作用

 協同乳業(株)(東京都中央区、尾崎玲社長)は28日、腸内ポリアミンが複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生合成され、その生合成経路はビフィズス菌などが産生する酸によって作動することを確認したと発表した。研究成果は学術誌『 […]