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2017年04月21日

機能性表示食品の課題、食の安全・安心財団 唐木理事長に聞く(後)

<ガイドラインは企業側と消費者側の妥協点>

 ――中小企業にとって、報告書が求めるレベルはハードルが高すぎるという意見もあるが。

 唐木 企業側の意見も大事だが、消費者側の意見を無視するわけにはいかないだろう。トクホでさえ反対している消費者団体があって、機能性表示食品についてはもっと悪いと言っている。しかし、そういう人たちも「これだったら仕方ないかなぁ」という妥協点が必要になる。条件を緩和すれば業界は突っ走れるだろうが、それをやってしまって消費者庁に総スカン食らったら、こういうものを作る必要がなくなるということになってしまう。その点では、報告書には企業側にも消費者側にも多少の不満はあるが、妥協できる範囲内だろうと思う。

唐木理事長

 ――事業者にはせめて、妥協点のところまでは努力してほしいということか。

 唐木 そのとおり。

 ――通販会社のなかには、システマティック・レビュー(SR)などを原料会社や受託製造会社、食品CRO機関に丸投げするところもある。そこにビジネスチャンスを見出した受託企業は、届出サポートの対価を求めて走り回っているようだが。

 唐木 それでいいと思う。きちんとしたところで、きちんとしたデータさえ出してくれるのならば、むしろその方が良いのかもしれない。

 ――届出情報の事後チェックについては。

 唐木 業界団体が資金を拠出し合って、中立的な機関を作ればいいのではないか。誰にも後ろ指を差されないようなかたちで、しかも業界寄りではないと思われるような中立の機関を作るのが第一だろう。

 ――事業者にアドバイスを。

 唐木 業界としては最低のこととしてガイドラインを守ること。今まで出したデータよりも良いデータがあれば差し替えろと消費者庁も言っている。良いデータがあれば差し替えて、古いデータは取り下げるなど、常にリニューアルして行くよう努力してほしい。

 また、外からの批判については真摯に答えなければならない。トクホの問題にしても、わけのわからない反論をしても仕方がない。科学の批判については科学で答えなければならない。

 

<トクホは「微効」の食品>

 ――日本サプリメント(株)のトクホ商品の許可取り消しから、週刊新潮の「トクホの大嘘」報道と、トクホをめぐる問題が取り沙汰されているが。

 唐木 日本サプリメントの問題については、効果に問題はないが、説明が間違っていたということ。関与成分が有効成分でなかったというわけだから、研究そのものが間違っていたのだろう。

 ――週刊新潮の報道については?

 唐木 科学の水準に達していない論文は、トクホの根拠として使用すべきではない。トクホの根拠がその論文しかない場合には問題は大きい。その他の論文で効果が証明されていれば問題はない。週刊新潮はこの点を検証していない。

 科学的に効果が認められるのであれば、効果の大小についての議論は不要。トクホは食品であり、薬品のような有効性は期待できない。いわゆる「微効」であることは最初からわかっていること。問題は、微効であることを正直に表示せず、あたかも大きな効果があるような誇大な表示が消費者の誤解を招いてしまう点にある。週刊新潮の批判もこの誇大な広告が大きな要素になっている。

 ――人工甘味料の安全性についてはどうか。

 唐木 週刊新潮の批判は間違いで、安全性に問題はない。ただし、医薬品が医師の判断で必要な期間しか飲まないことに比べて、トクホや健康食品は自己判断で何年間も飲み続けることになる。そのような飲み方をしても安全なのかという十分なデータはないため、体調不良があったらすぐに医師に相談すべきだろう。

(了)

【聞き手・文:田代 宏】

 

 

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