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2017年04月20日

機能性表示食品の課題、食の安全・安心財団 唐木理事長に聞く(前)

 消費者庁は、機能性表示食品制度の「2年後見直し」を行う。18日に開催された消費者委員会では、検証事業で問題のあった11件の機能性表示食品について、届出企業との間で、疑義も視野に入れた最終調整を進めていることを明らかにしている。同制度が抱える問題点や、週刊誌報道などで注目されている特定保健用食品(トクホ)をめぐる問題について、東京大学名誉教授で(公財)食の安全・安心財団の唐木英明理事長に話を聞いた。

 

<厳密な科学と社会的な必要性の接点>

 ――消費者庁は昨年実施した関与成分検討会の報告書に基づき、届出ガイドラインを改正し、2018年度以降に施行する。改正ガイドラインは現行に比べて、かなりハードルが高くなる。報告書で示された制度の対象に「機能性関与成分が明確でないエキスと分泌物(エキス等)」を追加することについてどう思うか。

唐木理事長

 唐木 特定保健用食品(トクホ)にしても、機能性表示食品にしても、厳密な科学と社会的な必要性の接点がある。厳密な科学から見たら報告書の分類はおかしいと思うが、社会的な接点という点から評価すると、あれが値ごろ感なのかなと思う。その点は消費者が納得しなければならないし、業界もそれで助からなくてはならない。それが経済の活性化につながるという視点からすると、妥当かなと思う。

 ――機能性表示食品制度に対する期待度は?

 唐木 私の期待はただ1つ。世の中にはびこるインチキ健康食品を排除するために、このような制度が少しでも役に立ってほしいとの思いであり、それだけ。いずれにせよ、消費者は健康食品に頼ることになる。誰もが、困ったときは神社仏閣に行って拝む。それと同じような気分で健康食品を買うだろう。どうせ買うのであれば、最低限、安全性だけはクリアした商品を買ってほしい。その結果、インチキ健康食品が少しでも減って行けば良いと考えている。それが私の望みだ。

 

<インチキ商品の領域を狭めることが必要>

 ――世の中、トクホと栄養機能食品と機能性表示食品だけになった方がいいと?

 唐木 私はそうなるべきだと思うが、食品だから規制できないところが問題だ。実は、民間医療の規制は明治時代に始まった。明治までの薬はいわゆる草根木皮(そうこんもくひ)といわれるもので、民間治療薬として科学的根拠がないものを富山の薬売りなどが全国を回って売っていた。そこに明治政府が近代科学を取り入れて、新しい考え方でそういうものを見直したところ、効果がないものがほとんどだった。そこで明治政府は、税金をかけたり、罰則を作ったりと、それを強力に排除する策を次々に打ち出したが、結局、なくすことができなかった。その流れがずっと昭和まで来て、厚生労働省(当時の厚生省)の46通知が出されて、今日までつながっているというのが実情だ。

 46通知でも、そのような民間療法が消えることはなかったので、今度は鞭だけではなく、あめを作ろうということでトクホ制度を発足することになった。1991年以降はあめと鞭の両面作戦で行っている。しかしトクホはコストもかかるし、中小企業には負担が大きすぎるということで、現在、名目1,200品目、実質400~500品目程度の許可状況で止まっている。でも、機能性表示食品制度ができて、こちらは急速に増え始めている。

 私は機能性表示食品の領域をどんどん広げて、インチキ商品の領域を狭めて行くというのが絶対必要だと思う。そのためには、少なくとも安全性の部分はしっかりやってもらいたい。機能性の部分については、食品だから効果が小さいことはわかっているので、そう難しいことは言わなくてもよいというのが私の立場だ。

(つづく)

【聞き手・文:田代 宏】

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