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2017年04月19日

機能性表示食品制度、改正へ向けた問題点とは?(3)

<どうなる?イチョウ葉、ローヤルゼリー、ノコギリヤシ・・・>

 司会 現時点で、機能性関与成分が明確でない食品の具体例を挙げることは難しいか。

 武田 フラボノイドやカロテノイド、アントシアニンなど、そういう点までわかっている食品はたくさんあると思うが、機能性関与成分として説明できるものは、調べないとわからない。例えば、カシスには4種類のアントシアニンが入っているが、同じカシスでも品種によってパターンが異なるため、種類を表示して、「〇〇種カシスエキス」のように整理せざるを得ないかもしれない。

(有)健康栄養評価センターの柿野代表(左)と、(株)オムニカの高尾代表

 司会 機能性関与成分が明確でない食品に関する各社の動向はどうか。

 柿野 機能性関与成分が明確でないエキスで届け出るしかないと考えている企業では、国がきちんとガイドラインを示さない限り、前に進めないということで、待機していると思われる。検討会の報告書だけで、対応を進めようと思ったけれども、業界内ではさまざまな噂が飛び交い、「本当にこれで大丈夫か」と考えて、ペンディングしているケースもあるだろう。

 司会 イチョウ葉エキスも、どのように扱われるのかがわからないが。

 高尾 検討会で、佐々木先生から「容易に因果関係を説明することは危ない橋を渡ることになる」という話が出て、機能性関与成分が明確でない食品のすべてが認められない可能性もあり、業界代表委員は自分から言い出すことができない雰囲気になった。

 制度が始まった時期に中国のイチョウ葉の不正事件があった。いわゆる関与成分の含有規格は満たしていたが、中国ではそれを医薬品と認めなかった。

 司会 ノコギリヤシ抽出物などはどうか。

 高尾 消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」が行われたときに、ノコギリヤシについて消費者庁の担当者が品質管理について質問していた。発表者の説明は、EBMとEBMでないノコギリヤシ抽出物を規格からだけで識別することは難しいと説明していた。

 司会 制度の対象とする機能性関与成分が明確でない食品として、「分泌物」も用意された。

(株)グローバルニュートリショングループの武田代表(右)と、(株)オムニカの高尾代表

 武田 一番に挙がるのがローヤルゼリーだ。ただ、ローヤルゼリーのデセン酸はあくまで指標成分。それで作用機序を説明することは難しいのではないか。そうは言っても、ローヤルゼリーは医薬品原料としても使われている。やはり効果があるから、医薬品原料として使われているのだと思う。

 しかし、検討会の報告書の内容だと、そうしたものを汲み取れない部分があるため、ローヤルゼリーだけでなく、プロポリスなども含めて、ハチ関係は結構厳しいのではないか。ただ、ローヤルゼリーのペプチドは、トクホの関与成分となっているため、少し従来と違う方向で、出口を見出して行くかたちにならざるを得ないかもしれない。

 司会 ローヤルゼリーの指標成分で、作用機序が考察されているものはあるのか。

 高尾 品質管理の点では、デセン酸などいくつかの物質がある。ただ、それ自身について十分に機能性が説明されていない。

 柿野 要は分泌物を全体で捉えるのではなく、きちんと深堀りし、成分として示すことができれば、本来の機能性関与成分と言えるだろう。先ほど武田さんが話したが、トクホで採用されたローヤルゼリーのペプチドなどは実際に認められた例なのではないか。ただ、分泌物で研究されたものは、ほかにはあまりない。

 司会 プロポリスはどうか。

 武田 プロポリスは、ミツバチが樹液を1回咀嚼して戻しているため、唾液成分が混ざっているケースがある。分泌物としては微妙だと思う。原料となる植物によってかなり成分が変わるので、グリーンプロポリスなのか、ブラウンプロポリスなのかによって成分もかなり違ってくる。個別に判断するしかないだろう。

 フラボノイドや抗酸化物が多いため、それを特定して行くしかないと思う。基礎的な研究がどうしても必要になる。サプリメントだけではなく、生鮮品にも同じことが言える。生鮮品の機能性表示食品がなかなか増えないのは、特定の成分だけで語ることが難しいためだ。生鮮品については、機能性関与成分の考え方を議論し直す必要があるのではないか。

 高尾 分泌物の場合、臨床試験だけで届け出るのか、研究レビューも含むのか。この議論が行われていないのに、分泌物の話となっているのでわかりにくい。

(つづく)

【文・構成:木村 祐作】

 

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