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2017年04月18日

機能性表示食品制度、改正へ向けた問題点とは?(2)

<機能性関与成分が明確な食品と、明確でない食品の境界線>

(株)グローバルニュートリショングループの武田代表(右)と、(株)オムニカの高尾代表

 司会 機能性表示食品制度の対象となり得る「機能性関与成分が明確でない食品」には、どのようなものがあるのか。

 武田 これは難しい。報告書で条件として示されたように、複数の指標成分があり、少なくともその1つについては、エキス等の機能性に関する作用機序を考察できる成分となると、すぐには思い付かない。

 これまでに受理された案件を見ると、機能性関与成分は79成分を数える。そのなかで、抽出物やエキスは22成分。また、機能性関与成分を含む原材料名に「抽出物」「エキス」を含むものは27成分ある。成分もエキスであったり、原材料もエキスであったり、さらには成分で作用機序を説明しているものが限られているなど、既に受理された食品のなかにも、機能性関与成分が明確でないのではないかと考えられるものもある。 

 高尾 機能性関与成分が明確な食品と明確でない食品の境界線を考えることは、機能性関与成分の定義がはっきりしていないと難しい。例えば、臨床試験の場合、関与成分の摂取によってその再現性が約束される。実際にヒトを対象とした試験で有効性があるかどうかを説明できるものが、機能性関与成分になると思う。

 例えば、ベータカロテンやオメガ3については、魚から取っても豚から取ってもよくて、機能性関与成分に相違ないことになっている。論文でも成分を定義づけて、その成分を摂取している上で有効と書かれている。しかし、例えば、含有量10%の規格のものが機能性関与成分と推定される場合に、高純度比20%用に製造したものを2分の1に薄めて、同じ論文を使って有効性が言えるのならば、この化合物は機能性関与成分として明確だが、エキスの研究論文では、そうした記述はほとんどない。

 また、ある化合物が〇%~△%の範囲にあることが定義づけられて、はじめて機能性関与成分であると思う。検討会では、指標成分や機能性関与成分がどうであるかという点に議論が終始していたが、それを摂取して効き目があるならば、機能性関与成分は明確である。ただ、2倍の濃度のものを半分に薄めて効果が期待できないものについて明確な機能性関与成分とは言えない。

 実は、エキスについては、ほとんど関与成分が明確だとは思っていない。臨床試験でエキスを用いて臨床試験を行った場合、エキスは関与成分となる。臨床試験の結果を担保している同等性が確保されているエキスに含まれる成分ならば関与成分と呼んでもよい。

(有)健康栄養評価センターの柿野代表

 柿野 とくに、機能性関与成分が明確でない食品を考えた場合、今まで以上に同等性について深掘りをすることになると思う。もともと何をもって同等性と言うのかは科学的には非常に難しく、対象とする成分に対応して複合的に考えなければならないと思う。例えば、健康食品業界の過去の論文を見ると、エキスとして臨床試験を行ったケースは多いが、戦略的に関与成分を深掘りして行くと、よく知られている成分で落ち着いてしまうため、商売上は一般的に知られた成分の話を避けながら、あえてエキスで試験したものもあったのではないかと考えられる。

 今後は、今まで指標成分としてしか捉えていなかったが、機能性関与成分に変えた方が良いと覚悟を決めて、いくつか実験を追加するようなケースが増えると考えられる。エキスの場合、機能性関与成分としてふさわしくないものは何か、また指標成分の捉え方も難しい。これから追加で実験を行うのであれば、指標成分を何らかのメカニズムで機能性に持って行けば機能性関与成分になることを説明するようなものになるだろう。説明できなければ指標成分のままだが、実際に、機能性関与成分に持って行こうとしている企業もいくつか見られる。

 司会 検討会では、機能性関与成分が明確でない成分として、アカデミア委員がイチョウ葉エキスと甘草エキス、業界団体がオタネニンジンをそれぞれ挙げたが、これらについてどう考えるか。

 高尾 エキスでしかエビデンスを取っておらず、指標成分の摂取では有効性を示していないとなると、その時点では機能性関与成分が明確でないエキスと言わざるを得ない。

 武田 実際に3%グラブリジン含有甘草抽出物が機能性関与成分になっており、これで説明していることになる。それをもって「甘草がクラス○○」と、直ちには言えないだろう。それから、機能性関与成分が1%ぐらいしか入っていないものが受理されていたり、エキスが機能性関与成分になっているものもある。現状だと、この定義の仕方ではかみ合わない部分があるような気がする。

 そもそも、機能性関与成分という考え方をしているのは日本だけだと思う。トクホの関与成分の考え方から来ていると思うが、それで本当によいのかどうか。ホール(全体)で効いているものについては、ホールで評価するのが国際標準。ホールで効くものをどう捉えるかは、制度上の大きな課題と考えている。

 高尾 その後の運用で問題になっている点がある。例えば、「定性・定量が直接的または間接的に」という部分。間接的とは、標準品を使っていない方法を指している。どのような方法かと言うと、推定された成分として吸光性を比較する。しかし、これは定量ではなく、ホールという言葉を抜きに話すのはかなり危険だ。ホールがあってはじめて、間接的な定性・定量が許容され得る。もちろんガイドラインでは、品質管理なども含めて、高いレベルの取り組みが行われることが求められる。

 ポリフェノールを含む商品が受理されているが、機能性関与成分とされている固有のプロアントシアニンのほかに、同じ波長を持ったポリフェノールがたくさん入っており、第三者ではまったく定性・定量ができない。それが許されるのは、その商品が特定の基原材料と特定の製造方法を用いているからであり、やはりホールで見なければ整合性がなくなる。

(つづく)

【文・構成:木村 祐作】

 

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