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2017年02月16日

【検証】八幡物産『北の国から届いたブルーベリー』届出撤回の顛末(12)

 八幡物産は、同様の指摘をASCON科学者委員会からも受けていた。

 同委員会は昨年8月29日、同社に対して「『目の疲労感』に関する文献(採用文献1)では、対照群と試験群の間で有意差がない。本届け出では試験群の0日と28日の間で有意差が見られたことを『群内比較で有意』として、有効と判定しているが、これは対照群を設置した目的を無視したものである。さらに、被験者数が対象8名、試験10名と極めて少ないので、群内試験で有効であったという結果の信頼性は低い。以上の点から、『目の疲労』に対する効果があるという判定はできないと考えるのが科学的に正しいのではないか」と指摘している。

 指摘に対して同社は、「臨床試験を行っている。9月末頃に結果が出るのでそれまで待ってほしい」と回答している。9月を過ぎても返事がないため、ASCONは10月13日に催促したところ、同社は臨床試験と指摘を踏まえて再検証中と回答している。ASCONのホームページには、「さらに消費者庁様からの技術的助言もあり、回答をお待ちいただいておりました。結果としましては撤回をいたしました」と記載されている。

 UMIN-CTR試験情報を見る限り、同社は昨年6月7日に「ビルベリーエキス含有食品摂取による、眼の状態及び機能の改善効果試験」を登録し、11月18日に再登録している。

 助言について消費者庁に確認したところ、「(この件で)技術的助言をしたのは事実だが、(これ以上は)個別案件の内容について話せない」とのこと。消費者庁に寄せられた疑義がきっかけで助言に至ったのかを聞いたところ、「疑義だけでは判断しない。それを基に(消費者庁で)独自に調査を行った結果から自己チェックをお願いすることになる」とし、あくまで一般論としてではあるが、疑義の影響について否定はしなかった。

 つまり、八幡物産の受理撤回は、日本アントシアニン研究会やASCONなどの指摘が間接的に関与した結果だと考えることができる。

 食品表示法第12条には、食品の表示が適正でないと認められた場合には「誰でも」内閣総理大臣に対して適切な措置を求めることができるし、そのような申し出に対して政府は調査し相応の措置を取らなければならないと定められている。

 受理撤回の公表後、消費者の手元に届けられた『北の国から届いたブルーベリー』のパッケージからは「機能性表示食品」の表示が消え、その代わりに同品のイメージキャラクターを務める俳優・船越英一郎さんの写真がプリントされていたという。

 本稿の発表途中で読者から、八幡物産と最近受理された他社のビルベリー由来アントシアニン含有食品の表示について、「どのように違うのか」という質問を受けた。

 関係者への取材を通した結果から判断すると、八幡物産の場合、「本品にはビルベリー由来のアントシアニンが含まれます。アントシアニンには、パソコン作業、事務作業など目をよく使うことによる、目の疲労感、ピント調節機能の低下を緩和することにより、目の調子を整える機能があることが報告されています」と、目の疲労感の緩和とピント調節機能の2つの機能を同時に直接的に表示している。

 一方、他社の場合は、目のピント調節を整えるなどの機能を通じて目の疲労感を軽減する機能が報告されているとしている。目のピント調節などを原因に表示上ワンクッション置いて目の疲労感の緩和を標ぼうすることで、「自覚的眼精疲労の改善を機能性としてはいない」(関係者)と言うことができる。いずれにしても、八幡物産が機能性表示の根拠とした論文では、あくまでビルベリー由来アントシアニンについて「目の疲労感を緩和する」機能は証明されていないと言える。

 最後に断っておかなければならないのは、最近受理された商品では原著論文で使用された試料と商品で用いられている原材料は同一のようである。

  (了)

【田代 宏】

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