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2016年10月05日

機能性表示食品「関与成分」検討会、波乱含みの終盤戦(後)

【解説】

<払拭されない消費者サイドの不信感>

 消費者庁が提示した要件(案)は一部を除き、大筋で了承される方向にある。議論の結果、機能性表示食品制度に追加する食品は、「エキス(抽出物)」または「分泌物」とされた。さらに、合田委員の指摘によって、動物由来エキスを対象から除くこととなった。この結果、追加する食品は「植物由来エキス(抽出物)」または「分泌物」で落ち着きつつある。

 また、栄養成分を含むエキス等や菌由来のエキスを除くことでも、各委員の意見がほぼ一致した。栄養成分を含むエキス等とは、例えば、ビタミンが豊富に含まれているために、実際に機能性を発揮しているのがビタミンであるようなケースを指す。

ラスト10分で議論が大きく動いた

ラスト10分で議論が大きく動いた

 安全性・機能性の評価方法や品質管理の要件についても、案に対する反対意見は聞かれなかった。品質管理では、健康食品GMPに加えて、溶出試験や崩壊性試験、重量偏差試験などが求められた。これは、安全性と機能性の両方を担保するための取り組み。健康食品GMPは機能性を担保しないことから、溶出試験などを必須とする考えだ。

 こうした施策に対し、業界内では「厳しい」という声が聞かれる。だが、同等性の担保や、一定レベルの事後チェックを可能とする取り組みは、クラス1・2を制度の対象とするための前提となる。優先すべきは消費者利益の確保。むしろ、案で挙がった各施策は、制度を維持するための最低限の要件と言える。

 仮に、案で示された全ての施策を実施したとしても、消費者団体などが抱く不信感は払拭されないとみられる。現行でも多くの疑義が出ているが、さらに高度な届出が要求される今回のケースで、適正な届出が行われるのだろうかという不安もぬぐいきれないようだ。それほど、関与成分が明確でない食品の制度への追加は、リスクが高い試みとなる。

 

<事後チェック体制のあり方で意見分かれる>

 委員間で意見が分かれたのが、国の関与のあり方で挙がった「事後チェック体制の充実化」について。消費者庁(案)では、「届出情報の様式やガイドライン、消費者庁の体制を整備した上で、エキス(抽出物)等を機能性関与成分とする届出を可能とする」としている。これは、エキス等については現行よりも届出資料の項目が増え、消費者庁の形式チェックも、より丁寧な対応が求められることを想定したものだ。

 検討会では、対象成分を拡大するために、消費者庁の人員増に税金を投入することに反対する意見が聞かれた。業界の自主点検を促す考えや、まずはモデル事業として実施するという提案も寄せられた。また、「消費者庁の体制整備が確保されれば、(関与成分が明確でない食品を)追加してもよいが、この点が不安である」(赤松利恵委員:お茶の水女子大学基幹研究院自然科学系教授)といった考え方も示された。

 現時点では各委員の考え方に開きがある。次回会合で、どこまで歩み寄れるのかが注目される。

 

<ラスト10分の攻防>

 検討会終了の約10分前、関与成分が明確でない食品に関する議論が大きく動いた。口火を切ったのが佐々木委員。「これだけの専門家が集まって議論したが、定義するのが難しいことなどが明確となった。消費者庁が扱ってもよいのかどうか、時期尚早と考える。少なくとも、今回は認めるべきではない」と発言した。森田委員も「同じ意見である」と続いた。

 これに対し、合田委員は「扱うべきだと思う。サイエンスが進歩すれば、成分を組み合わせると効くこともわかってくる。しっかりとコントロールできる世界で扱った方がよい」と反論。梅垣委員も「現行制度にすでに入っており、その対応として今までの議論を生かすべき」と合田委員の支持に回った。

 寺本民生座長(帝京大学臨床研究センター長)は、「この場で意見を集約することは難しい。もう一度議論したい。反故にすると言っているわけではない」と説明。今月18日に会合を開いて、再度検討することとした。

 9回目となった今回の会合では、大詰めを迎えたことから、各委員が積極的に発言し、明確な意見を出し合った。一方、この日も業界代表委員らは、議論にほとんど参加できずに終わった。

(了)

【木村 祐作】

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