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2016年09月30日

機能性表示食品「関与成分」検討会、終盤戦の焦点

【解説】

<求められる厳格な要件>

 消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」は10月4日、9回目の会合を開く。関与成分が明確でない食品の一部を制度に取り入れるための要件や、ビタミン・ミネラルの取り扱いが焦点となりそうだ。

 関与成分が明確でない食品については、3区分に分けて議論している。「クラス1」と「クラス2」は制度の対象に加える方向にある。「クラス1・2」にはイチョウ葉エキス、オタネニンジン、甘草エキスなどが該当。一方、ローヤルゼリーや冬虫夏草などの「クラス3」は、制度の対象としない方向性が固まった。

 議論の焦点は、「クラス1・2」を制度に追加するための要件へと移る。消費者庁が示した管理指標の要件(案)や、定性・定量確認の方策などが柱となる。さらに、機能性・安全性の同等性を確保するために、溶出試験や含量均一性試験なども要件に挙がっている。

 機能性表示食品制度は、企業の自己責任で機能性を訴求できる。インチキが行われないように監視する観点から、第三者が事後的にチェックできることが必須となっている。このため、事後チェックが困難な関与成分が明確でない食品を制度から除外した経緯がある。

 言い換えれば、関与成分が明確でない「クラス1・2」を制度に追加するならば、事後チェックを可能とするために、あらゆる手段を要件に加えることが求められる。

 要件を少しでも甘くすると、不適切な届出が相次ぐ可能性があり、消費者利益が損なわれる。次回会合では、厳格な要件の設定に向けた議論が進むと予想される。

 

<制度の目的に反する「栄養機能の併記」>

 ビタミン・ミネラルの取り扱いについては、「栄養機能の併記」が焦点となりそうだ。前回の会合で、健康食品産業協議会会長の関口洋一委員は4つの案を要望。そのうち、「ビタミン・ミネラルの新しい機能について、栄養機能食品制度の枠組みのなかで検討」と「消費者教育のさらなる推進」の2つは、現行制度の範囲内の話であることから、ほとんど議論にもならなかった。

 また、「成分の組み合わせによる3次機能の表示を認める」という要望は、アカデミア委員や消費者代表委員の猛反発を食らって撃沈した。健康食品産業協議会は、個々のビタミン・ミネラルの新たな機能性表示を企業の自己責任に委ねることはリスクがあると指摘。その一方で、ビタミン・ミネラルの複数成分の組み合わせ(マルチビタミンなど)による新たな機能性表示については認めてほしいと求めた。

 これは、あまりにも矛盾に満ちた要望であるため、各委員はあきれ果てた様子だった。仮に、次回会合で再提案したとしても、各委員の反感を買うだけで終わると予想される。

 では、残りの「栄養機能の併記を認める」という要望はどうか。この要望についても、アカデミア委員や消費者代表委員が反対姿勢を強めるのは必至。次回会合でも、合意に至ることはないだろう。その理由は、以下のとおり明快だ。

 企業の自己責任で行う機能性表示と、国が定めた規格基準に従って表示する栄養機能を同時に標榜した場合、一般消費者が正しく理解できるかという問題がある。どこまでが企業責任による表示で、どこまでが国の規格基準に基づく表示なのかを正しく理解できる一般消費者は、果たしてどのくらいいるのだろうか。大多数の消費者が誤認することは容易に想像できる。

 機能性表示食品制度の目的は、「消費者の誤認を招かない、自主的かつ合理的な商品選択に資する」ことだ。制度の目的に反するような施策は、制度の崩壊を招きかねない。なぜ、業界団体の関係者は消費者の目線に立って、そうした点に思いをはせることができないのだろうか、という疑問が浮かんでくる。大詰めを迎える次回会合が注目される。

【木村 祐作】

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