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2016年09月02日

機能性表示食品検討会、大詰めを迎えた「栄養成分」の議論(4)

業界側の提案に対して反対意見が相次いだ

業界側の提案に対して反対意見が相次いだ

【解説】

<消費者の神経を逆なでする業界団体の提案>

 健康食品産業協議会が提案したビタミン・ミネラルを機能性表示食品制度に追加するという提案は、跡形も残らないくらいに“袋叩き”にあった。同じようなシーンをこれまでに何度見たことだろう。

 アカデミア委員や消費者代表委員の反発を食らうのは、提案内容がお粗末なためだ。ビタミン・ミネラル(単品)の新たな機能の表示を企業責任に委ねることはリスクがあると懸念しながら、その一方で、複数のビタミン・ミネラルの組み合わせについては表示を認めてほしいと要望。森田委員が批判したように、矛盾に満ちた提案だ。

 マルチビタミンのような複数のビタミン・ミネラルを配合した商品は、売れ筋となっている。「ビタミンA」や「ビタミンE」といった単品の商品をあきらめる代わりに、売れ筋である複合成分を組み合わせた商品を機能性表示食品として売りたい、という思惑が透けて見えてきそうだ。

 また、食事摂取基準に基づく栄養機能食品制度と、企業責任による機能性表示食品制度をミックスさせると、消費者が混乱するのは必至。このため、消費者代表委員らは制度の対象にビタミン・ミネラルを加えることに強く反対してきた。アカデミア委員も健康・栄養政策や制度設計の面から、各制度の役割を重視しながら丁寧に検討してきた。すでに議論が尽くされた感がある。

 それでも今回、協議会は栄養機能の「併記」を要望したわけである。消費者側やアカデミア側の神経を逆なでするような提案を続けて、果たして業界の利益につながるのかという疑問も湧いてくる。これに加え、業界関係者が政治家に手を回して政治圧力をかけたことで、消費者側・アカデミア側の反発はいっそう強まっている。

 ビタミン・ミネラルについては、大多数の委員が反対姿勢を鮮明にしている。業界代表委員は手を変え品を変えてお粗末な提案を続けてきたが、もはや見苦しいだけだ。同時に、業界団体としての能力を露呈したようにも見える。

 機能性表示食品制度のさらなる規制緩和に対し、多くの委員が警戒を強めているが、その土壌を生み出したのは健康食品業界であるとみられる。問題のある届出を行う企業が後を絶たないために、健康食品企業に対する信頼は高まらない。1日の会合では、企業の自己責任に、健康・栄養政策に直結する重要な問題を委ねるわけにはいかないとする意見も聞かれた。

 検討会では、ビタミン・ミネラルを制度に入れるべきではないという意見が圧倒的。そうした状況を作ったのは、不適切な提案を続けた業界団体だと言えそうだ。

(了)

【木村 祐作】

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