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2016年08月26日

機能性表示食品「関与成分」検討会、終盤戦のポイント(後)

<関与成分が明確でない食品、合田委員を軸に議論形成>

 関与成分が明確でない食品についても、方向性が見えてきた。検討会では、関与成分が明確でない食品を「クラス1」「クラス2」「クラス3」に分類して議論している。「クラス3」になるほど、関与成分がより不明となる。これは、合田幸広委員(国立医薬品食品衛生研究所薬品部長)の提案によるもの。

 これまでの議論では、「クラス1」(イチョウ葉エキスなど)と「クラス2」(甘草エキスなど)を制度の対象とする方向になりつつある。一方、「クラス3」(ローヤルゼリー、冬虫夏草など)については、対象に加えない方向で一致している。

 このテーマについては、アカデミア委員や消費者代表委員の間で、制度に追加することに否定的な考え方が根強い。会合では、「時期尚早」との声が相次いだ。届出情報に対して疑義が噴出している状況下で、科学的根拠が曖昧な食品を追加すれば、制度に対する消費者の信頼をさらに失いかねないからだ。このため、規制緩和よりも、制度全体の見直しを優先すべきという考え方である。

 「クラス1」と「クラス2」を制度の対象とする方向に傾いた背景には、受理された商品に、これらが含まれていることがある。この事実を明らかにしたのが合田委員。「クラス1」にはイチョウ葉エキス、「クラス2」には甘草エキスが該当すると指摘した。

 「クラス1」「クラス2」に該当する受理済み商品については、届出を撤回させるか、または制度の対象に加えて救済するか――のどちらかとなる。現実的な解決方法という観点からも、同検討会では救済措置の方向で議論が進みつつある。

 一方、第7回検討会で日本通信販売協会(JADMA)が行ったプレゼンに対する各委員の反応は、冷めたものだった。JADMAが「クラス1・2」の例に挙げたのは、オタネニンジンの1件だけ。「クラス3」も冬虫夏草の1件だけだったため、肩透かしを食らう格好となった。もはや、お茶を濁すようなプレゼンに付き合う時間はないということだろう。

 また、JADMAは「クラス3」について、審査制の導入を提案した。だが、各委員はまったく反応せず、「クラス3」は制度の対象外とする方向で一致。「クラス3」で具体的に挙がった食品は、今のところローヤルゼリーと冬虫夏草だけだが、業界内では「クロレラや一部の青汁、酵素飲料なども該当する」との声が聞かれる。

 このテーマでも業界代表委員は、ほかの委員を納得させるような案を出せていない。議論の中心に入れずにいる業界側に手を差し伸べたのが、合田委員などのアカデミア委員。彼らが具体的な議論を行ったことで、「クラス1」「クラス2」を対象に加えるという方向が見えてきた。

 

<「クラス1」「クラス2」に該当する食品の整理が急務>

 次々回の第9回検討会では、各論が議論される見通し。「クラス1」「クラス2」を制度の対象とする場合、少なくとも、事後チェックを可能とする要件を課さなければならない。

 消費者庁(案)で示されたように、管理指標については、複数の成分が設定できることや、機能性の作用機序が考察されていることなどがポイント。パターン分析などが実施可能なことも要件として求められる。

 事後チェックで重要となるのが、定性確認と定量確認。そのために必要な施策を整理することが、急務となる。定性・定量確認が十分にできないと、インチキ商品かどうかの判断が困難となり、消費者利益を守れなくなる。このため、新たな要件については、かなり厳しい視点で議論することが求められそうだ。

 さらに、「溶出試験」や「含量均一性試験」などの義務付けも課題と考えられる。

 このほかにも、整理すべき課題は山積している。寺本民生座長(帝京大学臨床研究センター長)が示唆するように、「クラス1」と「クラス2」を現行制度にそのまま入れるのか、別の受け皿を用意するのかという検討も必要となる。

 また、森田満樹委員(消費生活コンサルタント)が指摘するように、「クラス3」であるにもかかわらず、「当社の商品はクラス1・2である」と強弁し、ルール違反を犯すような行為をどう防ぐのかも重要な問題だ。つまり、「クラス2」と「クラス3」の線引きが求められる。

 検討会とは別途、消費者庁では「クラス1・2」に該当する食品の整理も急務となるだろう。少なくとも、受理済み商品について該当する食品の洗い出しが必須となる。

 現行制度の対象となる食品と、「クラス1・2」に該当する食品(イチョウ葉エキスや甘草エキスなど)の“格差”をどう消費者に伝えるのかも今後の課題。消費者が適切に商品を選択できるように、商品パッケージに記載する表示内容の検討も求められそうだ。

(了)

【木村 祐作】

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