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2016年07月22日

機能性表示食品「関与成分」検討会、終盤戦へ向けた論点(後)

<糖質・糖類の議論を深められるか?>

 食事摂取基準で基準が設けられている栄養成分については、大方の方向性が見えてきた。業界が要望した成分のうち、糖質・糖類の一部については制度の対象とする方向でまとまりつつある。栄養成分の集中審議は、第8回検討会を残すのみとなった。この流れを確実にするために、第8回検討会で糖質・糖類の議論をさらに深めることが、業界にとって重要とみられる。

 一方、ビタミン・ミネラルについては、主に健康食品産業協議会が提案してきたが、ほとんどの委員が制度の対象とすることに反対姿勢を示す。業界内では、「協議会の戦略ミスと準備(勉強)不足が敗北の原因」との声が出ている。

 業界代表委員はトクホや栄養機能食品と同様に、機能性表示食品でもビタミン・ミネラルの機能性を表示できるように要望している。また一部報道で、ビタミンなどの機能性を表示できないのは機能性表示食品だけと指摘されたが、これは事実誤認。いわゆる健康食品、一般加工食品、生鮮食品も不可で、機能性を表示できる食品はトクホと栄養機能食品だけ。その運用方法も、表示内容を制限するなど限定的となっている。これは、ビタミン・ミネラルが国の健康・栄養政策で極めて重要な成分であり、過剰摂取による健康被害が起こりやすいという特徴を持つためだ。 

 そうした栄養成分については、国が審査するトクホや食事摂取基準に基づく栄養機能食品と、企業の自己責任で多様な機能性を訴求できる機能性表示食品を同列に並べて論じることは、そもそもナンセンスという指摘が多い。むしろ、栄養機能食品やトクホ(疾病リスク低減型)の制度拡充により、対応する必要があるという意見も聞かれる。

 また、ビタミン・ミネラルについてトクホや栄養機能食品で機能性を表示できる状況下で、機能性表示食品でも表示する必要性について、業界代表委員から説得力のある説明はない。消費者の視点に立てば、健康被害のリスクといったデメリットの方が大きいと考えられる。それでも、ビタミン・ミネラルを制度の対象とする理由は何か。業界代表委員は検討会の場で、明確に主張する必要がある。

 

<予想される政治家への陳情>

 ビタミン・ミネラルについては、議論が尽くされた感がある。大方の委員は、制度の対象にすべきでないとの考え方で一致。これに対し、業界代表委員が出した意見はことごとく論破され、跡形もない。

 そうした状況にあるだけに、ビタミン・ミネラルや関与成分が明確でない食品については、一部の業界関係者が今後、政治家に泣き付く動きを見せると予想される。

 アカデミア委員や消費者代表委員が反対しているのは、健康被害の未然防止と、制度の信頼性確保を重視したため。業界関係者による安易な政治利用は、そうした消費者メリットの軽視につながると懸念される。

(了)

【木村 祐作】

 

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