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2016年07月08日

消費者庁、SR検証事業「報告書」を公表(後)

<PICOに基づく結果を表示に反映>

 報告書では、システマティック・レビュー(SR)を適正に行うための注意事項を取りまとめた。その1つに、「多重検定」の問題を挙げた。メンタルの健康状態などでは、主要アウトカムのほかに多数の下位項目(例えば疲労など)があり、どれかの項目で偶然に有意差が生じることがあるという。偶然に有意差が出た副次アウトカムを主要アウトカムとして扱い、レビューが行われる可能性があると指摘。それを回避するためにも、SRの事前登録が必要としている。

 SRで採用する文献の研究デザインにも注意を促した。採用文献にランダム化クロスオーバー比較試験を含める場合は、1期目の介入の結果を持ち越す(キャリーオーバー)可能性があるため、留意するよう呼びかけた。

 検索のあり方については、不都合な一次研究を除外するために、検索式を工夫してヒットさせないように操作できる点に言及した。このため、機能性関与成分に対応したシソーラス(統制語)などを用いて、幅広く網羅できる検索を実施することが望ましいと提言している。

 機能性表示の内容にも留意するよう求めた。PI(E)COに基づいて得られた結果を表示に正確に反映させることが、もっとも重要と強調。「P(対象者)」であれば、性・年齢・身体特性など、レビューした一次研究からどのような対象と言えるのか。「O(アウトカム)」であれば、評価項目と表示内容が一致するかどうか、拡大解釈をしていないか、といった点に注意すべきとしている。

 また、利益相反の情報が記載されない場合、SRの結果を適切に解釈できなくなると懸念。報告の偏りを防ぐために、SRに関与した研究者の実名を掲載することが望ましいとした。監修料や指導料といった金銭の授受が生じたかどうかも、利益相反に関係するという。

 

<PRISMA声明チェックリストの項目番号などを本文に>

 報告書では、改善のためのポイントとして、適正な記述方法に言及。届出を検討する事業者に対し、PRISMA声明チェックリストの項目番号と項目名を本文中に入れることを奨励した。これにより、報告の質が確実に上がるとしている。

 さらに、SRでもプロトコール(研究計画)を適正に立てることが重要と指摘。これによって、研究の質が決定すると説明した。

 検証事業を通じて、これまでに受理された届出のSRには、問題を抱えるものが多数含まれることがわかった。今回取りまとめられた報告書は、制度の見直しに向けた検討や監視業務に、大きな影響を与えると予想される。

(了)

【木村 祐作】

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