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2016年06月15日

機能性表示食品「関与成分」検討会を検証(4)

<ビタミン・ミネラル、「栄養機能食品で」「時期尚早」「脂溶性ビタミンは慎重に」>

 司会 ビタミン・ミネラルなどの食事摂取基準で基準が設けられている栄養成分は、どう取り扱うべきか。

長村洋一氏(日本食品安全協会理事長)(右)と、武田猛氏(グローバルニュートリショングループ代表)

長村洋一氏(日本食品安全協会理事長)(右)と、武田猛氏(グローバルニュートリショングループ代表)

 長村 ビタミン・ミネラルは欠乏している状態で摂取すると劇的な効果が表れるが、欠乏していない状態でどのような効果があるのかは、ほとんどわかっていない。とくに、サプリメント形状の食品は制度の対象にしない方がよいだろう。

 ビタミン・ミネラルについての機能性表示に関しては、栄養機能食品の表示内容を再検討すればよいと考えている。現在表示できる内容とは異なったしっかりしたエビデンスのある機能性があれば、栄養機能食品の表示を拡大した方が良いと思う。また現時点においても、脂溶性ビタミンについては、過剰摂取の注意喚起表示を見直すべきある。商品パッケージに、「過剰に摂取すると健康障害が発生する可能性がある」と記載させることが必要だろう。ミネラルについても、「過剰に摂取するとすぐに上限値を超え、健康障害が発生する可能性がある」などと記載するべきである。

 武田 私は、ビタミン・ミネラルを機能性表示食品制度の対象とすることは時期尚早と感じている。もし、制度に入れるとすれば、「パーセント・デイリーバリュー(%DV)」を表示しなければならないだろう。これは、当該成分の栄養素等表示基準値に対して、商品に含まれる当該成分が何パーセント占めるのかを表すものだ。各国で導入されており、既にトクホや栄養機能食品でも導入されており、食品表示法で適応できると思う。消費者教育の一環としても必要と考えられる。

 食事摂取基準との整合性については、「パーセント・デイリーバリュー」を用いた場合、おおよそだが、100%を超える量は国の健康・栄養政策とは関係のない部分となり、消費者の自己判断で摂取することになる。過剰摂取の注意喚起を促す役にも立つ。

 竹田 その場合、まず食事摂取基準を国民に周知してから、平均摂取量の何パーセントという表示を行うことになるだろう。

 長村 食育のなかで、各栄養成分の必要量を教えておかないと、国民全体に食事摂取基準を周知することは難しい。

竹田竜嗣氏(関西福祉科学大学講師)

竹田竜嗣氏(関西福祉科学大学講師)

 竹田 水溶性ビタミンについてはそれほど心配していないが、脂溶性ビタミンは体内に蓄積されやすいため、慎重に判断するべきだ。長期摂取による健康への影響に関する研究データが少ないことも考慮すべきである。仮に、ビタミンを制度に入れるのならば、まずは水溶性ビタミンだろう。上限値の設定など、何らかの規制をしないと健康被害が出ると予想される。

 長村 機能性表示食品の場合、企業の自己責任となり、どこかの大学、研究機関などで行った一つの臨床研究の成果をもとに届け出て、機能性を表示することができる。そうした機能がどんどん広告されると、特定のビタミンの特殊な再現性の確立しない機能が独り歩きし、消費者間で誤解が生じてしまう。もし、健康被害が出た場合、どう責任を取るのかという問題もある。だから、先ほど述べたとおり、私は栄養機能食品の表示内容を見直してほしいと考えている。

 竹田 ほかにも問題がある。マルチビタミンの商品が出回っているが、過剰摂取の原因になり得る。仮に、ビタミンの一部を制度の対象に加えるとすれば、現行制度では複合成分も対象となるため、マルチビタミンの問題も浮上すると予想される。

 

<糖質は制度の対象となり得る>

 司会 食物繊維、タンパク質、脂質、糖質についてはどうか。

 長村 糖質については、何らかのかたちで制度に取り入れてもよいと思う。タンパク質では、ホエイ成分などは知見もあるので制度の対象となり得るのではないか。

 武田 品質保証が可能で、エネルギーにならない糖質については、制度の対象にしてもよい。タンパク質も由来が保証できるのならば、入れてもよいだろう。食物繊維については、不溶性食物繊維でも分析が可能なものもあるので、対象を拡大できるのかもしれない。

 竹田 オリゴ糖は単糖も含むため、難しい部分があった。だが、糖質については多くの研究が進められていることから、十分に議論すれば、対象にできるものが多数出てきそうだ。

(つづく)

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