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2016年05月26日

機能性表示食品検討会、関与成分が不明確な食品を議論(後)

【解説】

<具体的提案を避け続ける業界代表委員たち>

 機能性表示食品制度の対象にビタミン・ミネラルなどの栄養成分を追加するか否かの検討と比べて、関与成分が明確でない食品の議論は焦点がわかりにくい。その最大の原因は、業界代表の関口洋一委員(健康食品産業協議会会長)と宮島和美委員(日本通信販売協会理事)の両氏が、制度への追加を要望する具体的な食品名をいつまで経っても挙げないことにある。

 関与成分が明確でない食品を制度の対象とすることは、業界側が突き付けた要望だ。それにもかかわらず、具体的にどのような食品を追加してほしいのかを提案しない状況が続いている。具体的な食品名を挙げない限り、議論は深まらない。概念だけが飛び交う検討にならざるを得ないわけである。

26日開催の検討会の様子

26日開催の検討会の様子

 26日の検討会で配布された資料には、これまでの会合で業界側が出した提案を整理した一覧表が掲載されている。そのなかに「対象となる成分」の項目があるが、各団体ともに空白のままだ。検討会は今秋までに10回開催される。ちょうど半分の5回が終了した。だが、どの業界団体からも、いまだに具体的な食品が1つも提案されていない。

 健康食品産業協議会も日本通信販売協会も要望しながら、具体的な議論を避けようとしているわけである。アカデミアの合田委員は、業界にとって“助け舟”となるような提案を行った。それに沿って議論を深めるためには、具体的にどの食品を追加してほしいのかを業界代表委員は要望しなければならない。積極的な提案を抜きに要望が通るとでも思っているのだろうか。それとも、だれかが何とかしてくれると考えているのだろうか。議論を戦わせる姿勢がまったく伝わってこないと言える。

 今回の会合では、そうした業界代表委員の姿勢を問いただす声が聞かれた。山本万里委員(食品総合研究所食品機能研究領域長)もその1人。「事業者からは対象成分が提案されていない。その一方で、品質管理の方法でいろいろと提案しているが、どのような成分を対象とするのかがわからないと、そもそも言えない」と業界代表委員の姿勢に疑問を投げかけた。

 迫和子委員(日本栄養士会専務理事)も続いた。「クラス3とは、いったい何なのか。各業界団体は何をイメージして、同一性の担保や安全性の問題などをクリアできると考えているのだろうか。それを教えてもらって議論するべきだと思う」と痛烈に批判した。

 そうした意見に対し、業界代表委員は黙り込んだままだった。会合を傍聴したある業界関係者は、「業界代表は形なしだったね」と冷笑する。

 検討会はスケジュールの半分を消化した。関与成分が明確でない食品については、現行制度で対象としている関与成分の線引き(定義の明確化)が、議論の焦点となりつつある。残されたスケジュールのなかで、議論できることは限られている。もはや業界側は、合田委員案の『クラス3』については断念せざるを得ない状況にある。具体的な提案を避け続けたことで、自らの首を絞めるかたちとなったようだ。

(了)

【木村 祐作】

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