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2016年05月25日

健康食品業界で聞かれない「サプリメント法」の要望

 消費者庁の「機能性表示食品制度における機能性関与成分の取扱い等に関する検討会」で、(公社)日本通信販売協会(JADMA)の宮島和美委員は「サプリメント法」の制定を求めた。だが、健康食品業界では「そのような要望は出ていない」という声が多い。JADMAの要望は、健康食品業界全般の意向に沿ったものではないようだ。

 

<もはや「サプリメント法は死語」>

 JADMA理事として同検討会に参加している宮島委員は、第1回と第4回の会合で、サプリメント法に言及。第4回会合では、「サプリメント法は制定されるべきだと思う」と発言した。

 これに対し、大手販売企業の関係者は「業界内で(サプリメント法の)要望はない。健康食品産業協議会でも議論していない」という。ある団体の関係者も「サプリメント法の要望はない。宮島委員の発言には唐突感があった」と話す。

 原料メーカーの反応はどうか。某原料メーカーでは、「原料メーカーの立場からすると、サプリメント法だと(取引の)対象範囲が狭くなってしまう。サプリメント法を要望する声は聞いたことがない」とし、むしろ反対の立場にあると説明している。

 ある業界関係者は、次のように説明する。

 「機能性表示食品制度がなかったころには、サプリメント法の制定を求める声があった。だが、制度ができてからは、サプリメント法を主張する業界関係者はほとんどいないのではないか。システマティック・レビュー(SR)について、どの企業も対応できないと言われていたころ、サプリメント法を望む関係者はいた。しかし、中小企業も対応できることがわかり、そうした状況でなくなった。今では、サプリメント法は死語となっている」。

 別の業界関係者も、「サプリメント法は機能性表示食品制度がないころに、米国のダイエタリー・サプリメント制度をイメージして議論された。しかし、機能性表示食品制度の方が進んでいる部分があり、過去の案を持ち出すのは間違い」と批判する。

 

<JADMAの方針と業界全般の意向に大きな隔たり>

 健康食品業界からは、サプリメント法を求める声がほとんど聞こえてこない。そこで、同検討会での宮島委員の発言についてJADMAに確認した。

 JADMAによると、サプリメント法の要望は「理事会に報告し、承認された事項」という。「消費者を保護し、業界を健全化するためには、サプリメントを法律で定義して、『安全性』『表示』などのルールを法律で定めることが必要と考えています」と説明している。

 つまり、サプリメント法の要望はJADMAの方針というわけである。前述のとおり、健康食品業界からはサプリメント法を求める声がほとんど聞かれない。JADMAの方針と業界全般の意向には、大きな隔たりがあることがわかる。

 また、記者が今回の取材で、初めてJADMAにアプローチした翌日(12日付)には、通販新聞のニュースサイトが、「積み残し課題検討会 宮島氏が『法制化』提言、枝葉末節の議論に大所高所から反論」という見出しの記事(宮島委員の発言を支持する内容)を報じている。

 業界内には、「サプリメント法の亡霊に取りつかれていては、将来を見誤るのではと危惧する」という指摘もある。同検討会はサプリメント法を議論する場ではない。明日(26日)、同検討会の第5回会合が開かれる。業界代表の1人である宮島委員に対し、「大所高所から」ではなく、関与成分の取り扱いに関する具体的・専門的な議論を求める声が強まっている。

【木村 祐作】

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