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2013年07月17日

賛成!反対!「米国型」機能性表示制度の導入(前)

政府の「規制改革実施計画」「成長戦略」を受けて、消費者庁は、企業の自己責任で食品に機能性を表示できる米国型制度の導入を目指す。消費者も業界も歓迎できる仕組みとは?――各分野で活躍中の識者を招き、その本音に迫った。

(司会:データ・マックス記者・木村 祐作)

森下 竜一 氏(大阪大学大学院 医学系研究科 教授)
山浦 康明 氏(日本消費者連盟 共同代表運営委員)
末木 一夫 氏(一般社団法人 国際栄養食品協会 専務理事)

<危機感を募らせる消費者側、賛成の業界側>
 ――政府の決定をどう受け止めていますか。

 山浦康明氏(以下、山浦) 健康食品の機能性表示をめぐる今回の政府決定については、基本的に反対です。そもそも私たちは、健康食品が人々の健康な暮らしに有用なのか、という疑問を持っているからです。むしろ、副作用や経済的損害といった面を問題視しています。

 末木一夫氏(以下、末木) 私たちは、今回の政府決定に賛成しています。一番うれしかったのは、規制改革実施計画などで「一般健康食品」の用語を使ってもらったこと。「いわゆる健康食品」という、およそ法律用語とはかけ離れた表現が使われなかったことに喜びを感じています。さまざまな国際会議に出席しますが、「いわゆる健康食品」という用語を海外の方はだれも理解してくれず、通訳するのに苦労していました。

yamaura sueki

 ――消費者庁は米国ダイエタリーサプリメント制度に近いスキームを検討しています。

 森下竜一氏(以下、森下) 健康食品は正常な人が飲むものであり、薬のような効果を示すことはあり得ません。病気にならないように予防するという、調節機能の役割があると思います。その点を科学的に評価できるかどうかが問題です。このためには、疫学的データを含め、過去に公表されたエビデンスを精査しなければなりません。しかし、産業界が行なおうとしても難しいので、やはり医学界が協力しなければならないでしょう。

 山浦 米国のダイエタリーサプリメント制度は、どのような状況にあるのでしょうか。2012年10月に米国保健福祉省の観察総監室は、市販されている「体重減少」と「免疫力強化」のサプリメント127商品を対象に調査を実施しました。事業者に機能性表示の証拠を提出させたところ、FDAのガイダンスの要件に合致したデータは1件もなかったようです。

morisita 一定の科学的根拠があれば、機能性を表示することによって、消費者は商品を選びやすくなるのではないでしょうか。ぐるぐるひざを回すなど、関節に良いというイメージ広告はおかしいし、「個人の感想です」という宣伝もおかしいと思います。臨床試験ではっきりわかった部分については、表示を認める。それによって、良い商品だけが生き残る環境が生まれてきます。消費者が合理的に商品を選ぶことができる市場を育成するべきです。

 山浦 米国会計検査院の報告書をみると、事業者による健康被害の届出が義務づけられた結果、2008年から被害報告が増加しています。11年までの3年間で、総数6,307件の被害報告があり、重篤な症状で入院した事例も含まれています。栄養が強化されて良くなるという開発者の思惑とは裏腹に、被害も増えているわけです。

(つづく)
(詳細は「I・Bヘルスケア 14号」で掲載予定)

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