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2013年09月09日

深まる業界団体の迷走~健康食品産業協議会の臨時総会(前)

<政府方針とかけ離れた方向へ業界を誘導!?>
 健康食品の8業界団体で組織する「健康食品産業協議会」が3日臨時総会を開き、政府が導入する新たな機能性表示制度について、業界独自の制度案を検討する方向性などを取りまとめたことが、NET-IBの取材でわかった。公正競争規約や第三者認証制度などを含め、議論するとみられる。一方、消費者庁は、「米国ダイエタリーサプリメント制度」を参考にした制度を導入する方針を明確にしており、行政と業界の距離はいっそう遠ざかりそうだ。

 臨時総会では、(1)業界の要望する機能性表示制度案を専門部会で検討、(2)健康機能表示食品ガイドライン(仮称)作成委員会事務局活動、(3)日本通信販売協会(JADMA)との連携による業界一体化の促進、(4)国会議員との勉強会――などが議題に挙がった。

 出席した複数の関係者によると、「(新たに導入される表示制度について)消費者庁は何も決めていないから、第三者認証制度についても何も決まっていない」という旨の説明があったという。しかし、森雅子消費者担当大臣は国会答弁で、第三者認証制度ではなく、米国ダイエタリーサプリメント制度を参考に検討する方針を明確にしている。このため、一部団体では、政府の方針とかけ離れた方向へ業界が誘導される可能性を懸念している。

 また、別の出席者によると、「第三者認証制度」をめぐり、協議会内には「国が関与する制度」と理解している関係者が多数存在する一方で、「国が関与せず、民間企業などが自由に実施できるサービス」と受け止めている関係者もいるという。ある団体の代表は「なぜ、それほど第三者認証や公正競争規約にこだわるのだろうか」と、協議会が示す方向性に不安を隠せない様子だ。

<企業に求められる「米国型制度」導入への準備>
 新たな表示制度は2014年度中に始動する。制度のスタートに備え、準備を始めた企業もある。その一方で、いまだに、「第三者認証か?米国型制度か?」と右往左往する企業が多いのが現状だ。その責任の大半は、自己の思惑や都合によって、国の方針とまったく異なる方向へ業界を導こうとしている業界団体と、それを煽ってきた主要な業界紙にある、と指摘する声が聞かれる。

 新たな制度の詳細部分は、今後の政府の検討に委ねられる。しかし、6月時点で、消費者庁は少なくとも、制度の枠組みについて「米国ダイエタリーサプリメント制度」を参考にする方針を明確にしている。現在、各企業が取り組むべき点は、(1)米国型制度の研究、(2)米国型制度で使用される専門用語の理解、(3)有効性に関する科学的根拠の考え方の理解、(4)英文を含む文献の検索・精査の研究、(5)消費者庁の「食品の機能性評価モデル事業」で挙がった課題への対応――が必須とみられる。

 さらに、米政府内で、表示要件が不十分という指摘も出ていることから、日本に導入される場合に、科学的根拠のハードルが上がる可能性もある。そうした点も踏まえ、準備を進めることが各社に求められている。

(つづく)
【木村 祐作】

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