<使途不明の拠出金、政治家に頼る>
3日に開催された「健康食品産業協議会」(8業界団体で構成)の臨時総会で、政治家への働きかけが議題に上り、今秋、国会議員との勉強会を開く計画が示された。政治家に同協議会の要望を陳情する考えだ。
政治家への働きかけなどに必要な活動費について、各団体から10万円ずつを「拠出金」として徴収することも議論された。1団体を除き、拠出する方向で合意。出席した関係者によると、拠出金の使途ははっきりしていないという。
ある団体の代表は、「現在も政府内で、新たな機能性表示制度をめぐって、『米国型制度か、第三者認証制度か』の綱引きをしていると思っているので、拠出金を出すことにした」と話す。消費者庁が第三者認証制度を見送り、米国ダイエタリーサプリメント制度を参考にした仕組みを導入する方針は、議論の余地がないほど明確となっている。しかし、同協議会内では、そうした情報が共有されていないようだ。
各団体の財政事情は明るくなく、拠出金の負担は決して軽くはない。しかも、使途が明確でなく、費用対効果も不明。このため、今後は各団体の傘下企業から、疑問の声が噴出する可能性もある。
<JADMAとの連携を渇望>
公益社団法人 日本通信販売協会(JADMA)との連携も議題に上った。業界団体の動きを1本化することが狙い。同協議会の幹部からは、「交渉中」との説明があった。
JADMAのサプリメント部会は、同協議会と一線を画した活動を続けている。これまでJADMAは、「登録制」をいち早く導入するなど、消費者目線の施策に取り組んできた。また、行政との協力関係も重視している。
一方、同協議会は行政との対決姿勢を鮮明にしながら、迷走を続けている。同協議会を構成する各団体の加盟企業では、「なぜ、そのような行動に出るのか理解できない」と首を傾げる関係者が多い。
同協議会はJADMAに協力を求めているが、両者のスタンスは異なる。業界内では「水と油」とも例えられる。同協議会の思惑に、JADMAが乗っかる可能性は”ゼロ”に近いとみられる。