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2014年07月19日

消費者庁の新制度検討会「終了」(3)

<事前登録などで経過措置も>
 消費者庁の「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の報告書(案)は、機能性表示に求められる科学的根拠の考え方を整理した。それによると企業は、(1)最終商品を用いた臨床試験、(2)最終商品または関与成分に関する研究レビュー――のどちらかの手法によって表示の根拠を示す。

 最終商品を用いた臨床試験は、トクホの試験方法に準じて行う。その際、研究計画を「UMIN臨床試験登録システム」などに事前登録することが要件となる。これは、ネガティブな研究結果は発表せずに、良好な研究結果だけを学術誌に投稿するという「出版バイアス」の防止を目的としている。また研究結果は、ランダム化比較試験(RCT)報告の標準化を目的とした国際的な指針「CONSORT声明」などに準拠した形式で、査読つき論文によって報告する。

 ただし、「UMIN臨床試験登録システム」への事前登録と、「CONSORT声明」への準拠については経過措置を設ける。

<成分の基原など同等性を考察>
 研究レビューによる機能性の実証は、最終商品または関与成分をベースに行う。関与成分で行うケースでは、論文の成分と最終商品の成分の同等性を考察することが求められる。これまでの議論から、成分の基原(由来)や抽出方法などについての同等性が要求されると予想される。
 
 サプリメントでは、臨床試験(ヒト介入試験)がレビューの対象。一方、一般加工食品や生鮮食品は、臨床研究(ヒト介入試験または観察研究)を対象とする。消費者意向等調査結果を踏まえ、サプリメントについては、その他の食品よりも1段高いハードルを設けた。
 一般加工食品や生鮮食品のレビュー対象となる観察研究は、コホート研究などの縦断研究が想定されている。

 研究レビューによる機能性の実証は、査読つきの学術論文など入手可能な文献(1次研究)を用いて、「システマティック・レビュー」によって行うことが求められる。その際には「トータリティ・オブ・エビデンス」の考え方に基づいて実施する。このため、良好な結果の論文が検索されたとしても、ネガティブな結果の論文も検索されれば根拠とみなされないケースも予想される。海外の文献については、日本人に当てはめて推測する必要がある。

 また企業は、検索条件、採択・不採択の文献情報、結果に至るプロセス、スポンサーや利益相反に関する情報、出版バイアスの検討結果について、詳細を公表しなければならない。制度の透明性を飛躍的に高める取り組みとなる。NETIB NEWSの取材で、消費者庁は「世界最先端の透明性の高い制度になる」と説明している。

 報告書(案)は、システマティック・レビューの実施者を定めないと明記した。商品の販売企業が実施しなくてもよく、取引先の原料メーカーが実施した結果を活用しても構わない。ただし、レビュー結果に対する責任は、最終商品を扱う企業が負わなければならない。システマティック・レビューの実施者を制限しないことで、中小企業も利用しやすい環境が整うとみられている。

(つづき)
【木村 祐作】

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