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2014年07月31日

消費者庁、新制度の報告書を公表(4)

<実力不足を露呈した業界団体>

【解説】
 「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」で、議論をリードしたのはアカデミア代表委員だった。彼らの意見は報告書の重要な部分に反映された。関与成分の要件や、システマティック・レビューで対象とする論文の質に関する要件など、制度の本質部分に影響を与えた。

 消費者代表委員の活躍も目を見張るものがあった。従来型の消費者団体は「健康食品は不要」と唱えるだけだが、今回参加した消費者代表委員は違った。健康食品に対して厳しい視点を持ちながらも、消費者利益を確保するために現実的な意見を繰り出した。重要な局面では、バランスの取れた主張を展開し、議論を収束へと導いた。

 一方、残念だったのが業界代表委員。象徴的なのが、構造・機能表示(いわゆる部位表示)の議論で不発に終わった点だ。構造・機能表示の問題は薬事法で縛られることから、消費者庁ではなく、厚生労働省の所管となる。つまり、消費者庁に要望しても、消費者庁からは「トクホの表示が限界」という形式的な回答しか引き出せない。厚労省に直接問いただす以外に、議論を深める方法はなかった。そして、厚労省への質問は、直接利益が絡む業界代表委員の役割だったと言える。

 しかし、業界代表委員は消費者庁に対する要望を何度も繰り返すだけだった。厚労省を直撃するシーンは最後まで見られなかった。このため、終盤戦となった第7回会合で、しびれを切らした座長が、自ら厚労省の担当官を問いただした。その結果、報告書に、一定の要件を満たせば構造・機能表示が可能という主旨の文言が盛り込まれた。

 業界代表委員の不甲斐なさに、検討会を傍聴した業界関係者から批判の声も聞かれた。しかし、委員だけを責めるのは酷だ。委員をサポートした業界団体の責任も大きい。検討会では各業界団体の実力が問われたが、その実力不足を露呈する結果となった。

<米国ダイエタリーサプリメント制度の欠点を克服>

 昨年6月の閣議決定で、新制度は米国ダイエタリーサプリメント制度を参考にして検討する方向性が示された。検討結果に対し、健康食品業界内には「米国制度とは違った内容だ」との批判もある。制度の大枠は共通しているが、詳細部分は異なる点も多い。消費者庁の担当課は、「米国制度を参考にしつつも、とらわれない」と説明している。30日の記者レクでも、担当官は「米国ダイエタリーサプリメント制度の一番の問題点は、科学的根拠を開示していないことに尽きる」とし、米国制度の欠点を克服したことを強調した。

 米国制度には、消費者利益を損なう欠陥もある。「販売後」届出制もその一つ。発売後30日間は、インチキ商品でも機能性を表示して販売できる仕組みとなっている。このため、報告書は「販売前」届出制の導入を提言している。米国制度に欠点がある以上、改善して導入することが求められる。「米国制度と違う」という批判は、かなり的外れと言える。

 米国ダイエタリーサプリメント制度に精通している(株)グローバルニュートリショングループの武田猛代表は、「米国制度は決して甘くない」と指摘する。米国制度の詳細を理解していない人ほど、「米国制度とは違う」と批判する傾向にあるとみられる。

 報告書を受けて、消費者庁は食品表示法の食品表示基準案の作成に入る。国民から意見を募るパブリックコメントを経て、消費者委員会の意見を聞く予定だ。同時に、ガイドラインの作成も進める。新制度は来年3月末に動き出す。

(了)
【木村 祐作】

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