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2014年07月31日

消費者庁、新制度の報告書を公表(3)

<大手も中小も同じ土俵に>

【解説】
 トクホは許可までに、平均で4年の期間と1億円程度の費用がかかる。時間がかかるのは、食品安全委員会や消費者委員会で慎重に検討を重ねるため。一部の委員の指摘により、データの再提出を求められるケースもある。また、最終製品による臨床試験を企業自ら実施するため、費用も高くつく。

 一方、新制度は中小企業が利用しやすい制度設計となる。機能性を表示するために、(1)最終製品を用いた臨床試験、(2)最終製品または関与成分についての研究レビュー ――のどちらかの手法によって実証すればよい。

 多くの企業が選択すると予想されるのが、関与成分ベースの研究レビュー。その際、「システマティック・レビュー」という手法を用いる。これは、世界中のデータベースを検索し、関与成分の機能性エビデンスに関する論文を収集。集めた論文を精査・統合し、総合的にエビデンスの強さを判断するというものだ。
 費用も期間も論文数によって変わる。実施期間は「数カ月もあれば十分」と言われている。費用は文献収集や人件費などで発生するが、論文数が膨大な数に上らない限り、低費用で済む。つまり、システマティック・レビューによって、短期間・低費用で機能性を実証できる。決して簡単ではないが、経験豊かな研究員がいれば企業内でも実施可能だ。

 さらに、報告書は「システマティック・レビューの実施者については特に定めない」と明記している。たとえば、他社や取引先の原料メーカーなどが実施したレビューの結果を活用して、機能性を表示しても構わない。この場合、機能性の実証にかかる費用はほとんどかからない。また、CRO企業や研究機関などにアウトソーシングする方法もある。すでに一部のCRO企業では、システマティック・レビューの代行サービスの準備に入っている。

 新制度の導入によって、これまでトクホに手を出せなかった中小企業も、トクホに負けない機能性表示を打ち出すことが可能になる。広告費や販売力の違いはあるものの、機能性を表示できるという点で、大手も中小も同じ土俵で競う環境が整備される。

 このように新制度は、トクホ制度とまったく異質な仕組みとなる。しかし、業界紙や一部のニュースサイトでは、「プチトクホ」「第2トクホ」という報道が展開されてきた。なぜ、そうした報道が行われてきたのかは不明だが、消費者庁に取材すれば、トクホ制度とまったく異なることがわかる。完全な取材不足か、それとも何らかの意図をもって恣意的な報道を続けてきたと推測される。

 いずれにしても、事実を歪めた業界紙報道によって多数の企業関係者が戸惑い、貴重な時間を失ったという事実は消えない。新制度をめぐる一連の動きで、関連企業や行政機関の信頼を失ったのは健康食品の業界団体だけでなく、業界紙も同様と言える。

(つづく)
【木村 祐作】

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