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2014年07月30日

消費者庁、新制度の報告書を公表(1)

 消費者庁は30日、「食品の新たな機能性表示制度に関する検討会」の報告書を公表した。報告書を受けて消費者庁は来年3月末までに、十分な安全性確保を前提に、企業の自己責任で機能性を表示できる制度を導入する。安全性と機能性に関する十分な科学的エビデンスがあれば、「目の健康をサポート」など、身体の部位を用いた機能性表示も可能となる。

 報告書は、7月18日の同検討会で示された報告書(案)とほぼ同じ内容となった。主な変更点は、新制度の名称について。案では、消費者が誤認しないように、「健康」という文言を名称に使用しない方針が打ち出されていた。しかし、検討会で反対意見が出たことから、報告書では両論併記とした。一方、新制度の柱となる重要な各施策については変更していない。

 この日の会見で、阿南久消費者庁長官は報告書について、「新制度のあり方の基本が提示された。今後は食品表示基準案を作成し、速やかにパブリックコメントにかけ、消費者委員会にはかる」と述べた。

 新制度は、米国ダイエタリーサプリメント制度を参考にしつつ、米国制度の欠点を克服した仕組みとなる。米国制度が販売後の届出制を採用しているのに対し、新制度は販売前の届出制とする。さらに、安全性・機能性に関する情報の全面開示など、世界でも前例がない高い透明性をもった制度になると予想される。消費者庁の担当課では、「透明性の点で世界最先端の制度となるだろう」と説明している。

<世界最先端の高い透明性>
【解説】
 報告書は、消費者利益と産業振興の両面をバランスよく考慮した制度設計を描いている。新制度の最大の特徴は、透明性の高さ。販売前の届出制を採用し、販売前から企業の届出情報がほぼ全面的に開示される。特に安全性と機能性に関する情報は丸裸となり、インチキ商品は通用しない仕組みとする。

 いわゆる健康食品に対する批判の多くは、科学的エビデンスが乏しいのにも関わらず、大げさな表現で機能性をうたう商品が多いことが原因。さらに、健康被害を引き起こすケースもある。一方、新制度では情報が開示され、すべての国民が商品情報をパソコンでチェックできる。消費者庁のモニタリングだけでなく、消費者団体・マスコミ・アカデミアなど多方面の監視も加わる。事業者間の相互チェックも活発化すると予想される。インチキ商品を排除する仕組みが、新制度の土台となる。

 言い換えれば、新制度のもとで販売し続けることが可能な商品は、安全性・機能性の両面で一定の水準をクリアしたものに限られそうだ。商品を選択するうえで、新制度は消費者にとって明確な目安になると期待される。

 消費者庁の担当課では、「世界に誇れる制度をつくる」ことを目標に作業を続けている。販売前の届出制も、機能性に関するエビデンスの全面開示も世界に類を見ないと言われている。高い水準の透明性の確保は、インチキな商品を排除する点で消費者利益につながる。それに加えて、関連業界の健全化が進む可能性もある。

(つづく)

【木村 祐作】

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