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2015年11月02日

機能性表示食品市場は拡大するか?

<中小企業も新制度対応を模索>
 機能性表示食品制度がスタートしてから7カ月が経過した。消費者庁による受理件数は100件を超え、そのスピードは上がっているようだ。これまで新制度に後ろ向きだった企業もようやく重い腰を上げ始めた様子で、中小企業のなかにも新制度対応を模索するところが出始めた。

 受託製造企業では、機能性表示食品に関わる案件を受け切れないところも出てきた。一方、当初見込んでいた案件数に達しない受託企業もある。これは、無店舗販売など中小の販社を顧客に持つ企業に多い。大手の販社を相手にする工場とそうでない工場で、差が出たとみられる。

 新制度のスタート直後から、消費者団体などによる疑義情報の提出が頻発し、届出を撤回する企業も現れた。マスコミにも大きく取り上げられたため、準備を進めていた販社のなかには二の足を踏んだところも少なくなかったようだ。「相談の割に腰を上げる企業が少なかった」とする受託企業もある。

 それでも10月30日には、受託最大手のアピ(株)の工場(岐阜県揖斐郡)をドラッグストア業界関係者が視察するなど、新制度への期待は大きい。これまで工場設備にほとんど関心を示さなかった小売業が、新制度の施行をきっかけに、製造現場の品質・安全対策に目を向けるようになれば、消費者にとって大きなメリットになると考えられる。

 機能性表示食品を販売している企業で、機能性表示食品へのリニューアル前と後を比べると、売上は一様に伸びている(会員向けメルマガで既報)。その後も各社ともに売上を伸ばしており、(株)トウ・キユーピー(東京都調布市)が9月30日と10月8日に全国紙に出した広告については、リニューアル前の商品実績(2014年12月~15年5月)に対し、新規顧客獲得効率が約10%改善している。

 健康情報ニュースが実施したアンケート調査によると、原料・受託製造・販売会社ともに、概ね新制度への期待は大きい。企業責任を問われる販社では、原料メーカーや受託製造会社に協力を求めることで、より高品質な商品を売っていこうという姿勢が見られる。
 また、受託製造会社では、販社のサポートを務めるなかで、新制度の認知向上を図るために、販社や業界団体による宣伝に期待している。原料メーカーでは販社や業界団体に認知向上策を期待する一方、疑義や撤回が出る過程で、システマティック・レビュー(SR)にともなう不適切な論文の取り扱いに不快感を示す企業も現れている。研究レビューと実際の商品に用いられた原材料(成分)の同一性を求める声も上がっている。

<「いわゆる健康食品はなくなるのでは」の声も>
 ここ数カ月の間に、地域で活動する中小の通信販売会社に消費者庁の指導が相次いだ。指摘を受けた企業のなかには、機能性表示食品への切り替えを考え始めたところもある。機能性表示食品として発売された商品が大きく売上を伸ばす一方で、同じ成分の既存品を扱う通販大手の売上が鈍ってきたとの話もある。

 「ゆくゆくは機能性表示食品が大勢を占め、グレーなイメージ広告を利用している既存のいわゆる健康食品はなくなるのではないか」とは、中堅受託企業の担当者の弁。九州の大手通販を指して、「売値が1,000円台の商品を原価300円で作れと言われても困る。しかも、エビデンスも取れというのは無茶」と苦笑いする。

 機能性表示食品に期待が集まるなか、前述のように疑義や撤回も相次いでいる。ガイドラインに明記されているように、「消費者にとって安全で自主的な商品選択ができる」機会の確保など、消費者との約束をどう守っていくのかが、今後問われるだろう。

【田代 宏】

 

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