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2015年09月03日

機能性表示食品制度は生き残れるか!?(5)

<SRで採用したい論文を導いているような操作も>
 司会
 先ほども話に出たが、システマティック・レビュー(SR)は本来どうあるべきか。

 武田 検討会で議論された「トータリティ・オブ・エビデンス」の考え方は、広く情報を集め、ポジティブなものもネガティブなものも含めて、全体的にどうなのかを判断するという考え方だ。しかし、実際は採択基準でうまくコントロールし、採用したい論文を導いているような操作が行われているように感じてしまう。採択基準については、多くの人が納得できるように設定してほしい。また、出版バイアスについて、しっかりと調べている届出情報は少ない。使用しているデータベースもパブメドと医中誌だけといったケースもあり、限定されているようだ。
syuuseiG_1183 高尾 最終的に採択した論文が1報しかないSRもあるが、コクランレビューでもそのようなケースはある。除外基準でいろいろな制限を設け、減ったうえでの1報の論文なのか、それとも、何でもかんでも集めてきての2報の方が上なのかというと、そうは思わない。
 また、機能性表示の内容とSRの結果が無関係になっていることも問題だ。機能性表示に落とし込む際に、得られたSRの結果がどれほどの効果を意味しているのかを検証せずに、機能性表示に使用している。除外基準と採択基準を適切に設定していない場合では、表示に落とし込む時点で、血圧が下がる、膝の曲げ伸ばしが良くなるといった表示に乱用される危険性がある。採択した論文数が少ないのであれば、少ないなりに適切に行えばよい。

 植田 1報の件だけが問題でなく、届出企業や原材企業による論文しかないのにSRを行う点が問題だ。

 司会 論文の掲載雑誌の質も問題視されている。

 合田 検討会の議論で、担当編集者(査読者を兼ねる場合もある)との利益相反を判断しているジャーナルに限定すべきと主張し、ルール化すべきだった。普通の学術誌では、当然のことなので、見逃していた。ジャーナルには、いろいろなバイアスがかかってくるが、公平に対応することがジャーナルの箔となる。

 司会 雑誌の質を線引きすることは困難なようだが。

 植田 本当に、ジャーナルを線引きすることは難しいのだろうか。
gouda ueda1192 (1) 合田 インパクトファクターが付いているかどうかで、ジャーナルをある程度絞り込むことができる。日本の大きな学会のトップジャーナルはインパクトファクターが「1」を超える。「1」未満であっても、インパクトファクターが付いているジャーナルは、それなりに意味がある。
 また、パブメドに自動的に引用されているかどうかで、線引きすることも可能だ。医学系では、パブメドに引用されないと価値が低いと見られる。おおまかだが、インパクトファクターが付いていることや、パブメドに引用されていることも目安になるのではないか。

 植田 第7回検討会で委員の津谷喜一郎氏が指摘している悪徳ジャーナルのブラックリストに載っているものはダメなどの歯止めができないか?

 合田 そういうジャーナルはたくさんある。無料でも掲載しますというメール案内が、毎日寄せられる。

 武田 UMIN臨床試験登録システムへの事前登録とCONSORT声明への準拠が必須になれば、質の低いジャーナルへわざわざ投稿することもなくなるのではないか。

 合田 その通りと思うが、今は猶予期間中なので、駆け込みが見られている。

(つづく)

 

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