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2015年08月31日

機能性表示食品制度は生き残れるか!?(2)

<科学の前に謙虚でないものが多い>
 高尾
 機能性表示食品制度の導入により、経済効果が生じている。このことは企業側からすると、評価すべき点だ。否定的でない研究論文が1報あれば、機能性を表示できる。消費者団体が批判する部分かも知れないが、一般論で言うと、届出企業はガイドラインを遵守するというよりも、そうした緩い部分も考えながら、この制度を利用している。企業は理念を守ると同時に、利潤を出さなければならないからだ。
takao239 司会 業界サイドから見た問題点は?

 高尾 最初の20件くらいの届出情報に限らず、科学の前に謙虚でないものが多い印象である。そうした届出情報に対する疑義を見ると、ガイドラインに違反していると思われるものと、そうでないものが混ざっている。まず、指摘される疑義の種類を整理し、共有できればと思う。
 そして、企業は寄せられた疑義に回答することで、消費者の信頼を得られることになる。そうした意味で、正式な場で疑義が提示され、企業が正式に回答するという流れを当初期待していた。しかし、現時点ではそうした場がなく、非常に残念に感じている。

<届出情報のレベルにかなりの差>
 武田
 届出制が設けられているのは、世界的に見ても米国ダイエタリーサプリメント制度と機能性表示食品制度しかなく、抱える問題も同じ。ただし、消費者庁は米国制度の問題点を深く研究し、改良して制度を導入した。機能性表示食品制度が優れているのは透明性の高いところ。さらに言えば、企業の取り組み姿勢が非常によく伝わる制度である。真面目に取り組む企業の姿勢は、見る人が見ればわかる。問題は、届出情報のレベルにかなりの差があることだ。検討会の検討内容を考慮せずに、ガイドラインだけを読む企業もある。届出企業によって判断基準がばらついているようだ。
takeda4 司会 そのほか、気になる点があれば。

 武田 せっかく情報を公開しているのに、一般消費者向け情報がわかりにくいことも問題である。全国消費者団体連絡会の関係者が、「読んでも理解できない」と言っていたが、その通りだろう。
 また、販売前の60日間に疑義が生じた場合、どのようなプロセスで解決するのかという取り決めができていない。疑義が一方的だと誹謗中傷となり、場合によっては営業妨害となるが、おかしい点はおかしいと言える制度でなければならない。正当な意見を述べる側が守られないといけないし、指摘された企業も、疑義に対して説明責任を果たさなければならない。ところで、植田さんが出した疑義情報に対し、返答した企業は?

 植田 疑義情報は消費者庁に提出したものなので、個別に問い合わせた企業以外からの返答はほとんどない。別の消費者団体が出した疑義情報をめぐり、届出企業からクレームが寄せられたと聞くが。

 武田 疑義をめぐる話し合いは、クローズドで行うとよい方向に向かわないだろう。業界側には説明責任があり、十分に答えなければならない。全国消費者団体連絡会が健康食品の業界団体へ提出した要望書に対しても、返答がないと聞いている。もし、業界団体も説明責任を果たしていないのならば、いかがなものかと思う。
zenninn_1210 高尾 届出情報を見ると、かなり以前に実施された臨床試験のデータもある。消費者庁は、CONSORT 2010声明への準拠やUMIN臨床試験登録システムへの事前登録で猶予期間を設けた。これは以前に行われた臨床試験への配慮と思われる。しかし、猶予期間の設定によって、3月2日まで検討されたガイドラインの要件を満たさないような論文が機能性の根拠として利用されているように思う。もし、猶予期間を設けなかったとしたら、そうした問題は起こらなかったはず。制度を設計する過程で、業界側から厳しすぎるという声が上がり、配慮したのだろう。

(つづく)

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