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2015年12月01日

機能性表示食品制度「業界横断祭」(後)

<分かれる消費者サイドの評価>

約300人の業界関係者などが参加

約300人の業界関係者などが参加

 11月30日開催の「『機能性表示食品制度』業界横断祭」では、3つの討論会が行われた。討論会「消費者サイドからの疑問に答えます!」には、パネラーとして国民生活センター理事の宗林さおり氏、主婦連合会参与の佐野真理子氏、東京大学医学部附属病院小児科医師の伊藤明子氏、元月刊「食生活」編集長の相良治美氏、(株)ファンケル社長の宮島和美氏が参加した。

 宗林氏は、「いわゆる健康食品が区分されたことで、(この制度は)ないより、あった方がよいと思う」と一定の評価を与えた。また、「機能性表示食品では眠りや認知・記憶などのトクホよりも踏み込んだ表現が出てきている。これらについて専門家はエビデンスが十分かどうかを考え、消費者はどこまで受け止めればよいかを考える余地がある」と今後の課題を挙げた。

 伊藤氏は、機能性が表示されることで、消費者に適切な情報が提供され、栄養素の選択に結び付く点に期待を寄せた。

 一方、佐野氏は「最終製品を用いた臨床試験に基づく科学的根拠を示した製品が非常に少ないことに不信感がある。消費者に不利益を与える欠陥制度である」と批判。「エビデンスがあるか疑問だ。サプリメントも機能性表示食品も不確かな商品のように見える」との見解を述べた。

<「複数の論文が出るまで待つのが基本」>

 討論会「届出された研究レビューを評価します!」には、東京農業大学教授の上岡洋晴氏、国際栄養食品協会理事長の天ケ瀬晴信氏らが参加した。

 上岡氏は、届け出された研究レビューについて「結果と考察がほとんど同じような報告が多い。結果を受けてどう考えるのかが、課題となっているのではないか」と問題提起した。さらに、「結論で断言的な表現が多い。定性的な評価で『有効だ』とするのは勇気がいる」と批判した。

 研究レビューで1報しか評価しないケースについて、上岡氏は「1次研究がパーフェクトなRCT試験ならば(1報でも)それでOKだが、なかなかそういう研究はない。だから複数の研究を集めて調べないとわからない」と指摘。「1報しかないならば、(システマティック・レビューは)複数の論文が出るまで待つことが基本であり、そうでなければ自らRCT試験を行うべきだ」とした。

 上岡氏は病者論文についても言及。「もし、病者を取り入れるとしたら、治療効果と同じように考えざるを得なくなる。消費者は(機能性表示食品を)薬と同じように思ってしまうだろう」、「日本医師会も黙っていないと思う」などと忠告した。

 このほか、業界関係者による討論会「業界団体と企業は何をすべきなのか!」も行われた。

(了)

【木村 祐作】

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