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2015年03月02日

機能性表示食品ガイドラインのポイント(3)

<可能な表示、最小限の考え方示す>
 新・機能性表示制度(機能性表示食品制度)の機能性表示の範囲について、ガイドライン(案)は可能な表現の考え方を整理している。第1に、容易に測定できる体調の指標の維持・改善に役立つ旨の表示がある。たとえば、血糖値関連や血圧関連などが該当する。特定保健用食品(トクホ)で認められている「食後の血糖値が気になる方に」や「血圧が高めの方に」といった表現が可能となる。一方、「診断」「予防」「治療」といった医学的な表現は使用できない。

 第2に、身体の生理機能や組織機能の良好な維持、改善に役立つ旨の表示がある。「目の健康を維持」「お腹の調子を整える」などがこれに該当。いわゆる健康食品には認められていない「身体の部位」を用いた表現が可能となる。この点が新制度の特徴でもあり、部位を用いた表現がもっとも多くなると予想される。

 第3のポイントは、身体の状態を自覚できて、一時的な体調の変化の改善に役立つ旨の表示。たとえば、「眠り」などに関する表現が該当する。表現方法については、慢性的な意味合いは禁止される。このため、「一時的な××のために」といったような表現を工夫する必要が出てきそうだ。

 また、新制度は主観的な指標によってのみ評価できる機能性も対象とする。たとえば、「疲労」などが考えられる。ただし、評価するための指標は、学術的にコンセンサスが得られていて日本人に適応できるものに限られる。

 一方、禁止される表現例も示した。第1に、疾病の治療・予防効果を暗示する表現がある。「高血圧の人に」「脳卒中を予防」「近視が良くなる」といった表示だ。
 第2に、健康の維持・増進を超えた健康の増強を標榜した表現も認められない。ガイドライン(案)では具体例に「肉体改造」「増毛」「美白」を挙げた。
 第3は、科学的根拠に基づかない表現。たとえば、あるサプリメントを摂取してナチュラルキラー細胞が活性化されたとしても、それによって「(体全体の)免疫をサポートする」といった表現は認められない。

 1月に開かれた規制改革会議のワーキンググループでは、表示可能な表現のリストに関する質問が出た。しかし、消費者庁はガイドラインで可能な表現を列挙することについて、「事業者の創意を削ぐ。それ(事例)に引っ張られてしまう」との考え方を示していた。
 ガイドライン(案)では、機能性表示の考え方を提示するにとどめた。新制度のスタート後、企業の創意工夫によって、多様な機能性表示が登場すると予想される。

<著作権法、公表論文は利用可能>
 ガイドライン(案)は著作権法に関する考え方も示した。それによると、公表されている論文を「引用」することは可能という。また、消費者庁のウェブサイトなどで公開する場合、著作権者の許諾を得る必要はないとしている。

 一方、未公表の論文については原則、著作権者の許諾が必要となる。このため、許諾なしに研究レビューの論文中に引用したり、届出資料に利用したりできないと説明している。

 著作権法に関する留意点をガイドライン(案)に盛り込んだ背景に、業界内で誤報が飛び交っていたことがある。その原因の1つとして、大手健康食品業界紙がシステマティック・レビューの2次利用について、「(手続きを踏まなければ)膨大な損害賠償の危惧もある」と報じたことが挙げられる。これに戸惑った業界関係者も少なくなかったようだ。

(つづく)
【木村 祐作】

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