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2015年03月02日

機能性表示食品ガイドラインのポイント(2)

<関与成分を定量・定性できない食品は対象外>
 ガイドライン(案)は、新・機能性表示制度(機能性表示食品制度)の対象範囲を詳細に規定した。機能性表示食品は、未成年者・妊産婦・授乳婦を除く健常者と境界域の人を対象とする。確立された診断基準に基づいて、「軽症」以上と診断された人は対象外となる。

 対象食品はサプリメント形状食品、一般加工食品、生鮮食品。つまり、ほとんどの食品が対象となる。ただし、アルコール飲料や、脂質・飽和脂肪酸・コレステロール・糖類・ナトリウムの過剰摂取につながる食品は対象外。たとえば、砂糖を主原料とするキャンデーに機能性成分を配合したとしても、届け出はできない。

 新制度が対象とする「機能性関与成分」は、作用機序が考察されていて、定量分析と定性分析が可能なものを指す。作用機序の考察は、既存の研究データを収集して行う。既存の研究データが十分に得られない場合は、試験を実施しなければならない。

 定量分析・定性分析が可能な成分の考え方も示した。キシリトールなどの単一の化合物や構造式が近い5化合物程度(低分子)の成分については、基原を確認するためのパターン分析が不要で、定量のみの対応で済む。
 ビルベリー由来アントシアニンや大豆イソフラボンといった一定の構造式を持ち、約20化合物以内の低分子化合物群については、定量分析に定性的なパターン分析を組み合わせる。また、リンゴ由来ポリフェノールなどの特徴的な構造式を持つ高分子成分で、基原や重合度などによって定性が可能なものについては、定量分析に加え、他の指標を組み合わせた定性分析が求められる。

 一方、関与成分を特定できない食品は、新制度の対象外となる。安全性確保の点でも、機能性の担保の点でも大きな不安を抱えるためだ。一部の業界関係者はそうした食品も対象にするように求めているが、新制度の信頼性を揺るがすことになり、業界全体の足を引っ張る可能性が懸念される。

<ビタミン・ミネラルも対象外>
 ビタミン・ミネラルなどの食事摂取基準で基準が設定されている栄養素も対象外となる。ただし、「たんぱく質」「n-6系脂肪酸」「n-3系脂肪酸」「食物繊維」「ビタミンA」の5栄養素の構成成分については例外措置を設けた。

 新制度の対象成分として、タンパク質については「各種アミノ酸、各種ペプチド」を挙げた。n-6系脂肪酸は「γ-リノレン酸、アラキドン酸」、n-3系脂肪酸は「α-リノレン酸、EPA、DHA」。また、食物繊維は「難消化性デキストリン、グアーガム分解物」、ビタミンAでは「β-カロテン、α-カロテン、β-クリプトキサンチン」などを挙げた。これらの成分については特異的な作用があることから、例外措置とした。

 ビタミン・ミネラルを対象外としたことで、業界の一部から反発の声が出ている。しかし、米国でも有害事象報告の大部分をビタミン・ミネラルが占めた経緯がある。さらに、複数の成分が複雑に絡み合って作用することもあり、業界内からも安全性確保でリスクが大きいと指摘されている。もし、ビタミン・ミネラルを無条件で新制度の対象とし、米国のように有害事象の報告が相次いだならば、新制度は医学界やマスコミなどの批判の的となり、頓挫する可能性もある。

(つづく)
【木村 祐作】

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