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2015年07月23日

機能性表示食品の表示・広告を考える(前)

 機能性表示食品制度には、消費者の自主的・合理的な商品選択をサポートする狙いがある。そのため、科学的根拠に沿った表示が求められる。広告も消費者の商品選択に役立つものでなければならない。機能性表示食品の表示・広告のあり方を考える。

<被験者の年齢層と商品の対象者>
 機能性表示食品は、科学的根拠の範囲内で機能性を表示できる。表示のあり方で問題となるのが、機能性の根拠とする研究データの対象者(被験者)と、商品の対象者が一致しないケース。研究データの被験者は若年層だが、商品の対象者が高齢者も含む場合などである。

 そうしたケースも、食品表示基準やガイドラインに違反しているわけではない。しかし、「若い人で効果があったというが、自分のような年寄りにも効果があるのだろうか」と考え込む高齢者も少なくないだろう。消費者庁に見解を聞いたが、「個別の問題には答えられない」(食品表示企画課)という。

 今回、森下仁丹(株)のサプリメント『テアニン』を例に挙げて考えてみる。同商品は「作業などに由来する緊張感を軽減する機能があることが報告されている」旨を表示する。機能性は成分ベースの研究レビューによって評価した。研究レビューで最終的に採択した論文は3報。たった1報でも届け出る企業が多いなか、採択論文が3報あるのは良い方と言えるかもしれない。

 ただ、その3報はいずれも大学生を被験者としている。一方、同商品の対象は「疾病に罹患していない者(未成年者、妊産婦、授乳婦を除く)」。被験者は大学生だが、商品は高齢者も含む幅広い層の成人を対象としている。

 科学的根拠に忠実に従えば、「20代の人にとって、作業などに由来する緊張感を軽減する機能があることが報告されている」といった表示内容なども考えられる。

 森下仁丹(株)の見解はどうか。「研究レビューにおいて根拠論文となった文献は、あくまで健常成人と設定して検索をしたもので、意図的に大学生を選んだわけではございません。健常成人を対象とした試験によりレビューを実施したことから、年齢・性別による限定はなく高齢者にも問題なく対応できると考えております」(研究開発本部)としている。

 同様の例はほかにもある。八幡物産(株)のサプリメント『めばえ』や、アサヒフードアンドヘルスケア(株)のサプリメント『ディアナチュラゴールド ルテイン&ゼアキサンチン』なども、被験者の年齢層に偏りがみられる。

 この問題について、あるベテランの学識経験者は「高齢者の場合、若い人と同じように吸収されるのかという点がある。また、体のいろいろな機能が弱っている高齢者にも、若い人と同じような効果が出るのかという点もある」と話す。別の研究者は「システマティック・レビューの結果は正確に表示した方がよい。全年齢で同じ(効果がある)と言うのはよくない」と指摘する。

 消費者の適切な商品選択をサポートするために、幅広い層で効果が期待できる理由について、消費者にわかりやすく説明する努力が届出企業に求められる。少なくとも、届出情報の一般消費者向け情報などで解説する必要があると言える。

(つづく)
【木村 祐作】

 

 

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