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2016年03月22日

機能性表示食品の研究論文、「査読なし」の疑い(前)

<学術総会で研究奨励賞を受賞>

 機能性表示食品として受理された(株)セラバリューズのサプリメント『肝臓の健康にセラクルミン』で、消費者庁に届け出された「最終製品を用いた臨床試験」の論文が、届出ガイドラインで規定する「査読付き論文」に該当しない疑いのあることが、21日までに健康情報ニュースの取材でわかった。

 機能性表示食品制度では、届出企業の提出資料が国のガイドラインに合致していることが求められる。機能性の根拠となる研究論文が査読付きであることも、重要な要件の1つ。この点が曖昧だと、消費者の利益を守れないからだ。

 消費者庁の届出ガイドラインによると、機能性を証明するために「最終製品を用いた臨床試験」を実施する場合、「査読付き論文として公表された論文(査読を経て採択された後、公表準備段階(印刷中(in press)等)にある論文含む)を提出する」ことが求められる。同社が提出した届出資料の「機能性の科学的根拠に関する点検表」では、「国際的にコンセンサスの得られた指針に準拠した形式で査読付き論文として公表されている論文を添付している」の欄にチェックが記入されている。

 問題の研究論文は、日本未病システム学会雑誌(Vol.16 №2 2010)に掲載された「クルクミン製剤の細粒化による経口クルクミン吸収性の向上とアルコール代謝および肝機能に及ぼす影響」。2010年に開かれた第17回日本未病システム学会学術総会で「研究論文」として発表された。学会から、研究奨励賞を受賞している。

 

<日本未病システム学会の事務局は曖昧な回答>

 取材の経緯を振り返る。取材は「査読の有無」に焦点を当てて進めた。このため、論文の中身については一切触れなかった。

 まず、日本未病システム学会事務局に同社の論文が査読付きかどうかを問い合わせた。2月17日に、「お問い合わせいただいた論文につきましては、査読はございません」との回答を得た。

 ところが、後日、事務局の担当者は「(この前は)先走った回答をした」などと話し、曖昧な説明に終始した。事務局を通しての取材には限界がある。そこで、(1)当該論文の査読者、(2)当時の編集委員長や編集委員、(3)査読した証拠――の開示を求めた。

 その結果、同事務局から改めて以下の回答が寄せられた。

 「当該論文は『研究論文』として学会での発表により担当座長の高評価を受け研究奨励賞を受賞したもので、学会に参加できなかった会員に啓蒙用として掲載されています。『原著論文』は通常の査読のプロセスを経て投稿が受理されますが、座長の高評価により受賞論文としての『研究論文』では、設定された通常の意味での査読プロセスは踏んでいませんが、科学的検証としての学会の評価・座長のレビューに基づいています。これが2010年当時の学会の編集方針であり、編集委員長は福生吉裕です」。

 記者は、事務局が編集委員長と説明する日本未病システム学会理事長の福生吉裕氏に話を聞いた。

(つづく)

【木村 祐作】

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