健康情報ニュース.com > 機能性表示食品 > 機能性表示食品の届出情報を考察(4)
  • このエントリーをはてなブックマークに追加
2015年06月22日

機能性表示食品の届出情報を考察(4)

横浜薬科大学 客員講師 竹田 竜嗣 氏

<消費者に対し届出企業は丁寧な説明を>
 6月10日時点で公表されている機能性表示食品の届出情報をもとに、気づいた点を指摘してきた。今回は届出情報について全般的な所見を述べる。

 報道などを見ると、いくつかの届出商品について消費者が不安視しているとの情報がある。その多くが、安全性で問題があるのではないか、機能性のエビデンスが不十分なのではないか、といった点だ。また、機能性表示食品制度が企業の自己責任で実施されることも、やはり不安視しているのではないかと思う。

 しかし、この制度がなければ、科学的根拠の曖昧な商品がグレーゾーンの販売方法や広告で出回り続け、ある一線を超えると行政処分を受けるという構図が固定し、続くのではないだろうか。きちんとした科学的根拠があれば機能性が謳える画期的な制度であるからこそ、消費者の注目度も高く、反響も大きいのだと思う。

 国の許認可制でないことや、特定保健用食品(トクホ)との違いが十分に浸透していないことから、どうしても消費者の不安を押し上げてしまう面がある。しかし、こういった不安に対し、届出企業は十分に丁寧に説明するしかない。そういった意味でも、今後展開される機能性表示食品の広告については、そのあり方が大きな議論になると考えられる。

 また、届出情報のなかで、消費者向けの資料は「一般消費者向け情報」のみである。この部分については残念ながら、一部わかりづらい記載の届出がある。文字数の制限もあるため、有識者向け届出資料の単純な言い換えでは収まり切らないことも理解できるが、なるべく平易でわかりやすい表記を心掛けてほしい。

 専門用語を極力言い換えて、少しでもわかりやすい表記にしようとしている届出も少なくない。その一方で、「RCT」「研究レビュー」「バイアス」などは、多く出てくる用語でもある。これらの用語に関する一般向けのわかりやすい資料を、行政を中心に用意する必要も出てきそうだ。

 企業側に説明責任があることは言うまでもないが、制度の認知不足や誤解が起こるのはすべて企業側の問題だけではない。行政や業界団体、消費者団体がこの制度をより良いものにするために、一般消費者に啓蒙活動を行っていくことが重要である。もう一度、どういう目的で導入された制度なのかについて、それぞれの立場の関係者が考え、活発な議論が進むことを期待したい。

(了)

おススメ記事

2018年06月29日

【7/18】消費者行政新未来創造オフィスシンポジウム

 消費者庁は7月18日、「消費者行政新未来創造オフィス・愛媛県・愛媛大学シンポジウム」を愛媛大学・南加記念ホール(愛媛県松山市)で開催する。定員250人、参加費は無料。  プログラムは「食べきり侍 参上!」、「学生が運営 […]

伊藤園、ポケモンパッケージの『ポケットべジ』発売

 (株)伊藤園(東京都渋谷区、本庄大介社長、TEL:0800-100-1100)は7月2日、(株)ポケモン(東京都港区、石原恒和社長)とタイアップし、パッケージにポケモンたちをデザインした野菜・果実ミックス飲料『充実野菜 […]

永谷園、黄金しじみエキス配合のみそ汁を数量限定発売

 (株)永谷園(東京都港区、飯塚弦二朗社長)は7月から、黄金しじみエキスを配合した『1杯でしじみ70個分のちから みそ汁』『――塩分控えめ』を数量限定で順次発売する。黄金しじみは、台湾の花蓮にある水産養殖専業区で育てられ […]

ル・パティシエヨコヤマ、洋菓子を自主回収

 消費者庁のリコール情報サイトは28日、(有)ル・パティシエヨコヤマ(千葉県習志野市)による洋菓子の自主回収情報を掲載した。  対象商品は『谷津干潟の卵』。アレルゲン(小麦)の記載漏れのため、自主回収している。連絡先はT […]

2018年06月29日

ビフィズス菌が産生する酸に新たな作用

 協同乳業(株)(東京都中央区、尾崎玲社長)は28日、腸内ポリアミンが複数の腸内細菌の代謝経路を経由して生合成され、その生合成経路はビフィズス菌などが産生する酸によって作動することを確認したと発表した。研究成果は学術誌『 […]