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2016年04月19日

機能性表示食品の届出は今のままでいいのか?(8)

<地方衛生研究所で届出情報の監視が可能>

 穐山 分析法を公開することによって、第三者が流通している製品を分析することができるようになっている。そうすると、実際に流通している製品は全く違うパターンのものだということは、後からでも調べることができるだろう。消費者庁が実施するかどうかはわからないが、こうして監視することができるなら、違反になるわけだから1つの解決方法としての意義があるのではないか。

3人(第1回) 川田 分析法そのものは、素材によっては公開されているものがあるので、それらを利用することはできる。

 穐山 ある一定の品質が確保されている製品で、安全性や有効性データを使用されたくなければ、公開した分析法で他社の製品を第三者がチェックして、エビデンスの有無を判断できるようにしておけばよいのではないか。

 エキス全体にいろいろな成分が含まれていることは理解できるが、関与成分のなかでは、少なくとも20化合物以内などとガイドラインで限定されている。この分析法を登録しなさいとガイドラインに示されているのだから、それを公開して含量規定をきちんとしておくべきだと思う。有効性も安全性も同等だというのであれば、第三者が見ても、ある一定の範囲で同じということを証明しておいた方がよい。

(株)オムニカ代表取締役社長の高尾久貴氏

(株)オムニカ代表取締役社長の高尾久貴氏

 高尾 新制度が始まる前には、いわゆる健康食品でももっと詳細な約束規格があった。制度が始まったことで「規格について同等かどうか自分たちで考えてよろしい」と変わった点で、後退した感がある。穐山先生が言うように、分析方法や定性定量を行う指標などについて、もう少し複雑なものがあって、それを十分に活用することができていたのだが、新制度の施行後は、意図的に届出者がそれを採用しない権限を持つことができるようになった。わざわざアントシアニンだけを見るようになり、合計としての36%だけしか見ないというのは制度の施行と同時に始まったことだ。

 川田 新制度ができたことによって都合のいいとこ取りというか、一部の数字だけを取り上げて「同等だ」としているのが現状ではないか。

 司会 制度の施行以前は道義上守られていたということか。

 高尾 (ほとんどの関係者が)違うものだと知っていたからだ。

 司会 それは制度上の欠陥なのか。

 穐山 いったん認められてしまえば、後は知らないということなのだろう。

 司会 盲点?

 穐山 そうだ。

 高尾 この問題の解決の仕方が複雑で、当然間違えているわけだから、指摘すると事業者と事業者の争いの図式になってしまう。以前だったら、指摘をすれば当事者同士の話し合いになって解決に至っていたものが、今では受理を脅かしに来たように取られてしまう。

 

インデナジャパン(株)取締役営業部長の川田晋氏(左)と、国立医薬品食品衛生研究所 食品部 部長 穐山浩氏

インデナジャパン(株)取締役営業部長の川田晋氏(左)と、国立医薬品食品衛生研究所・食品部部長の穐山浩氏

 穐山 企業同士が行うと角も立つので、第三者機関が公正に評価して、より良く運用していく必要があるのではないか。

 川田 承認制度ではないことが、新制度のキーポイントだ。 

 高尾 第三者といっても高い能力が要求されるだろう。高いレベルで中立的な立場に立って仲裁をする能力が必要となる。

 穐山 国の食品表示法に基づく制度の下で実施しているのだから、消費者庁がどのように考えるかによるが、地方衛生研究所は県と政令指定都市に1つずつある。そこが届出情報を監視すれば、中立性を保つことができるだろう。かなりの監視能力になると思う。

 高尾 弊社の成分で喫食実績を積み上げて、異なる成分で届出をした企業がある。届出者は、届出食品の成分は喫食実績の成分と同等ではないとの認識を届出書類に記載していながらも、安全性の理由については異なる商品、異なる成分に関する喫食実績の情報に依拠しているケースを見かけた。以前より有害事象についての詳細な報告義務があるのに、もし事故があったとき、企業の命運を賭けて責任を取ることができないのではないかと心配している。安全性を中心にして見ていくと、矛盾点が明らかにわかる。この先、販社はどう責任を果すつもりか。事故は必ず起きるはずだ。

(つづく)

 

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