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2016年04月18日

機能性表示食品の届出は今のままでいいのか?(7)

国立医薬品食品衛生研究所 食品部部長 博士(薬学) 穐山浩氏

国立医薬品食品衛生研究所 食品部部長 博士(薬学) 穐山浩氏

<分析法を公開すれば同等性はチェックできる>

 穐山 ところでビルベリーだが、商品名が「ブルーベリー」となっているものがあるが、それは同等性を取っているということになるのか。

 川田 品種は違うが、ビルベリーよりもブルーベリーの方が一般の認知が高いことから、商品名をブルーベリーにしているケースがある。

 穐山 成分が違うのであれば、消費者に誤解を与えてしまうが、原材料名は何としているのか。

 川田 ビルベリー果実エキスという。新制度では関与成分名はアントシアニンにしてあるが、本来ならばビルベリー果実エキスと書く方が良いだろう。アントシアニンが入ってさえいれば、何でも機能性があるかといえばそうではない。生薬的な考えに基づけば、一定レベルのパターンで含有されていなければならないはずだ。朝鮮人参でもジンセノイドが入っていれば効果が同じかというと、Rg-1とRb-1のバランスだとか、全体の何パーセント入っているかなど、トータルなエキスで効果が表れる。

(株)オムニカ 代表取締役社長 高尾久貴氏

(株)オムニカ 代表取締役社長 高尾久貴氏

 高尾 例えばアントシアニンにおける同等性の問題だが、定性定量の目安でもあるわけだが、ファーマコキネティック(薬物体内動態)で確認する際に、血中に取り込まれたときの濃度が高からず低からず、常に安定を保つことができていればそれは同等と見なすこともできるのだが、そうでないものについて同等とは言えないのではないか。臨床試験が難しければ、せめて動物実験で検証すればいいのにと思うのだが。何より、同等性が担保されずに商品として販売された場合には、消費者があまりにも気の毒だ。

 川田 薬物体内動態まで取れば、ある程度納得できるところはある。指標マーカーになるものが血中でこれだけ出ているのだから、ほぼ同等と見ていいのではないかと。ただ、現状は何もやらずにアントシアニンが入っていれば同等と言っているだけ。

 穐山 アントシアニンは混合物だが、血中濃度を追うことはできるのか。

 川田 HPLCのパターン分析で15種類のピークを確認することができる。

 高尾 我々の治験では、1時間後の採血を行って、被験者からアントシアニンがどれだけ検出されているか、摂取と有効性の指標のほかに血中濃度の検出も行っている。一方、インデナ社の固有の論文に依拠するのであれば、当然、インデナ社の論文で使用された成分を使用するものだと思っていた。制度開始前には、まさかこういう事態が起きるとは考えてなかった。

 穐山 インデナ社の原料にかかわる研究論文を引用して、同等性と言っている企業があるのか。

インデナジャパン(株) 取締役営業部長 川田晋氏

インデナジャパン(株) 取締役営業部長 川田晋氏

 川田 弊社の論文以外にも、他社の論文を使用して異なる原料を使って同等性があるとして、機能性を謳っている製品がある。

 高尾 同等なら同等でいいのだが、少々その根拠が不足しているのではないか。名称が同じだということと、含有量が同じだということは論理学上、同等性の説明になっていない。

 穐山 それは成分も違っているということか。

 川田 エキス全体のプロファイルが違っているはず。

 穐山 だとすれば、分析法を公開した方がいいだろう。

 川田 弊社の分析法は公定書に公にしたものがあるが、抽出法は独自のノウハウのためオープンにできないところがあるし、論文にもそこのところは書いてない。抽出の温度の条件や時間などについてはまず書くことができない。

 穐山 最終製品からの分析法は公開すべきではないか。

 川田 それは公的なものがある。欧州の薬局方でアントシアニンの定量法があり、それを使えば分析できる。ただし、それはアントシアニンに限ってのことだが。

 穐山 新制度で今求められているのは、機能性関与成分の分析法とそれ以外の安全性に関する成分の分析法を届け出ることではないか。従って、少なくともその分析法については公開すべきだと思う。そうすれば、他人のデータを使って届出を行うことは避けられるかもしれない。間違ったものだということが後で立証できる。同等性ができていないということは最終製品のチェックで可能だ。

 川田 アントシアニンの部分だけはできるだろう。

 穐山 アントシアニンのプロファイルだけでも違ってくる。それが明らかになれば、その時点ですでに同等ではないと言える。

 川田 ただし1ロットだけでは不十分で、例えば、工業的生産品数ロットで同じパターンが出たので同等だと主張することはできると思う。

(つづく)

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